キタサンブラックにデータの死角 宝塚記念逆転候補はシャケトラだ!
前走レース別成績(好走馬輩出レース)
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走天皇賞(春)からの好走馬
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、天皇賞(春)での人気や着順はさまざまだが、同レース連対馬は【0.2.2.9】と勝利なし。対して3着以下は【4.1.0.23】。3着以下の馬が馬券圏内にまで食い込めれば、1着まで持って行く可能性が高い。
前走天皇賞(春)以外のG1からの好走馬
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走G2以下からの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
冒頭にも触れたように、今年は春のG1を連勝したキタサンブラックが大きな注目を集めている。しかし、表5〜6触れたように、前走G1連対馬が勝てていないのが過去10年の宝塚記念で、計【0.6.5.18】。複勝率37.9%と2〜3着候補としては良いものの、1着候補としてはシュヴァルグラン(天皇賞2着)ともども不安が残る。
そこで、天皇賞(春)3着以下からの逆転候補として挙げたいのが、同レースでは9着に敗退したシャケトラだ。前走G1組の好走条件となる、4〜5歳馬(本馬は4歳)で今回も上位人気の一角が予想される上、天皇賞組なら上位人気(本馬は3番人気)で3着以下に敗れた馬が逆転候補という傾向。走り慣れた距離に戻って一変もあり得る。
一方、天皇賞(春)1、2着のキタサンブラック、シュヴァルグランは5歳で、2〜3着候補としては特にこれといったマイナス材料はない。ともに今回も上位人気が予想されるが、表5本文で触れたように、天皇賞組の4〜5歳馬かつ今回3番人気以内なら【4.2.2.2】と安定している。また、表3や表5本文で触れたように外枠の優勝馬が多いため、枠順抽選の結果次第ではシャケトラも含め3頭が互角になる可能性もある。
前走天皇賞(春)以外の登録馬は前走3着以内が目安だが、今年は全馬4着以下で上記3頭との比較では苦しい。そんな中では、近年の傾向から牝馬のミッキークイーン。15年にはヴィクトリアM8着のショウナンパンドラが11番人気で3着に好走しており、同レース7着でも穴馬としては注目できる。その他では、前走レース別から鳴尾記念組のスピリッツミノル。そしてG1昇格で傾向が変わる可能性のある大阪杯組・サトノクラウン、ミッキーロケットあたりは、資金やオッズとの相談で余裕があれば押さえておきたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。