ハリル「けがで戦略が変わってしまった」 W杯最終予選 イラク戦後の会見
イラク戦後、ハリルホジッチ監督は「けがで戦略が変わってしまった」と試合を振り返った 【写真は共同】
この試合、後半17分の井手口陽介(→今野泰幸)、32分の酒井宏樹(→酒井高徳)とけがにより2枚の交代カードを使わなければならなくなった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は試合後、「最後に速いFWを投入するという、まったく違う戦略を練っていたが、けがが問題だった」と語り、けがで戦略変更を余儀なくされたことを嘆いた。しかし、選手たちについては「このコンディションでは最大限やってくれたので、そこを非難することはできない」とたたえ、「日本のほうが勝利に値した」と繰り返し語った。
日本は勝ち点を17に伸ばしてグループB首位をキープ。8月31日に行われる次節のオーストラリア戦に勝利すればグループ2位以内が確定し、6大会連続となるW杯出場が決まる。
日本の方が勝利に値した
──イラクは新しい監督と若い選手だったが評価は?(外国人記者)
素晴らしいチームだし、素晴らしい選手がたくさんいる。テクニックもクオリティーも将来性もある。ただ今日に限って言えば、日本のほうが勝利に値したと思う。前半もPKをもらっていてもおかしくないシーンがあった。こういう、ちょっとした細かいところが違いを生む。ラッキーな面もなかったし、チャンスもものにできなかったし、失点シーンもプレゼントによるものだった。
──W杯最終予選でイランと日本のグループを比較してどうか?(外国人記者)
われわれのグループのほうが、最後の最後まで戦わないといけないというところで、少しレベルが高いと思う。イランは昨日W杯予選を突破したが、アジアでも最も強いチームの1つだ。(2015年10月に)彼らと試合をしたが、イランはパワーもテクニックもあるいいチームだった。2試合を残して結果を出すというのは、かなりのチームだと言える。
フィジカル的にかなり厳しかった
ベンチに座り込むハリルホジッチ監督。けがで選手交代のプランが崩れたことを嘆いた 【写真は共同】
このコンディションでは最大限やってくれたので、そこを非難することはできないし、これ以上できないという選手もいた。リーグ戦を終えて疲労がたまった状態で帰国した選手もいたし、国内組も疲労がたまった状態でプレーしていた。最後に速いFWを投入するという、まったく違う戦略を練っていたが、けがが問題だった。井手口(陽介)も(酒井)宏樹もけがをしたし、(原口)元気も疲労困憊(こんぱい)だったし、久保(裕也)も苦しんでいた。完全に戦略が変わってしまった。
──見ていてタフなゲームだったが、監督はサウジアラビアの経験で中東の暑さも分かっていたと思う。それを上回る厳しいコンディションだったのか?(田村修一/フリーランス)
厳しいコンディションだった。37度の灼熱で、健康上の危険もあった。適応している選手もいたし、そうでない選手もいた。フィジカル的にもかなり厳しかった。戦略を用意していたが、さまざまなアクシデントでそれが使えなかったのは残念だった。アクションを決定的なものにして得点するチャンスが何度かあったが、慌てた状態があったし、ラッキーも足りなかった。
テクニック的になかなかコントロールできていなかったが、すごく疲労したからだと思う。イラクのほうが、こういったコンディションに適応できていたと思う。それでも(日本は)勝つだけだったし、今回は勝つべきだったとも思う。
──イラクと対戦するのは16年10月に続き2回目だが、どちらが強かったか?(外国人記者)
2つの試合とも高いクオリティーを見せたし、パワーもテクニックも併せ持っていた。数年経てば、もっと危険な存在になるが、今日でいえば日本のほうが勝利に値したと思う。試合もコントロールできていたし、イラクはそこまでチャンスを作っていたわけではなかった。失点は選手とディスカッションをしていたので見ていなかったが、GKとDFが理解していない状況だったように思う。いずれにせよ、イラクは素晴らしいチームだった。