ハリル「中盤に難しさを抱えている」 W杯最終予選 イラク戦の前日会見
グループBは8日に行われたサウジアラビアとの試合でオーストラリアが勝利したため、日本を含めた3チームが勝ち点16で並ぶ混戦模様となっている。日本は1試合消化が少ないが、ハリルホジッチ監督は「より難しいシチュエーションになった。すべてを出して勝利へのトライをしないといけない」と意気込んだ。
また、7日のシリア戦で右すねを打撲し、別メニュー調整が続いていた山口蛍については「治療しているが、準備できているかどうかは別の問題」とした上で、「ここ最近はタクティクス面で素晴らしいトレーニングができたし、良いものがグラウンドで見られた」と手応えを語った。
この暑さなら、ビーチに泳ぎにいく方がいい
──中盤が難しいということだが、けが人が相次いで監督のプランがどれくらい変わったのか?
選手の状態に、われわれは適応しなければならない。合宿にはプランBやプランCを用意しなければいけないと、いつも思っている。今はどのソリューションがいいかを考えて、トレーニングするしかない。もちろん足りないものはあるが、それを言ってもいいわけにしかならない。強い覚悟をもって勇気ある選手、アグレッシブにいける選手、自信を持って能力をすべて出せる選手、それらがいれば大きな仕事ができると思う。長谷部の代わりを見つけるのは難しい。真司のクオリティーもそうだ。それでも他のソリューションを探すというトライをする必要がある。
──暑さの中での戦い方について選手と話したようだが。
この暑さなら、ビーチに泳ぎにいく方がいい。このような状態でプレーするのは、健康上のリスクがある。試合当日でなく前日から、身体の器官をしっかり順応させて、しっかり水分補給をしておかなければならない。試合前に、身体の全器官がこの暑さに慣れている必要がある。
特に心理面は簡単ではない。(海抜)1500メートルの高地だし、肺機能も最初は困難だった。それもあって、シリア戦は1日早めて行い、ここでトレーニングする日を確保した。いろいろなディテールも考え、うちのスタッフが前もってグラウンドを準備した。あとは選手が責任をもってプレーするだけだ。
──久保裕也は最終予選で重要なゴールを決めたが、先日のシリア戦はよくなかった。彼にはどんなプレーを求めるか?
試合後の会見でも言ったが、たくさんの1対1のディスカッションを重ねてきた。久保だけでなく、いろいろな選手と話してきたし、真夜中でのディスカッションもあった。いろいろなことを説明して、お互いに理解できたと思う。批判ではなく説明をした。A代表は厳しい要求をされる場である。
──会場を提供してくれたイランと、対戦相手のイラクについてそれぞれコメントしてほしい。(外国人記者)
イランには、大変なことが起きたにもかからず、このような試合会場を準備してくれたことについて、ありがとうと申し上げたい。それからトレーニング会場も、素晴らしいものを用意してくれたことに、チームを代表して感謝したい。
イラクについてだが、素晴らしいチームだと思う。90%がリオ(デジャネイロ)五輪を経験しているクオリティーのある選手であり、ブラジル相手にものすごい試合をした(グループリーグ第2戦で対戦し、0−0で引き分けた)。メンタルもフィジカルも強いし、クオリティーの高い選手がそろっている。監督が替わったことで、選手がさらにモチベーションが高まっていると思う。日本が勝利するためにはビッグマッチをしなければならない。
──山口は試合に出られる状態か。それと本田(圭佑)をシリア戦の途中から真ん中でプレーさせたが、次の試合でもそうする可能性はあるか?(元川悦子/フリーランス)
蛍については治療しているが、準備できているかどうかは別の問題だ。トレーニングをしっかりしているわけではないから、すぐにプレーできるかどうかは分からない。本田だが、ソリューションを見つけるためにシリア戦でいろいろなことにトライした。いろいろなことを予測しないといけないが、中盤で予測不能なことが起きた。そのため、このフレンドリーマッチではたくさんのことを試した。ここ最近は2回、タクティクス面で素晴らしいトレーニングができたし、いいものがグラウンドで見られた。いろいろな決断は、今日のトレーニングを見てからにしたい。