ジダンの下でさらなる伝説を作ったレアル 偶然ではない史上初のCL連覇
レアル・マドリーはユベントスを4−1で下し、史上初のCL連覇を達成した 【写真:ロイター/アフロ】
前半は健闘したが、彼らを相手に90分間耐え抜くことは不可能に近い。ロス・ブランコス(レアル・マドリーの愛称)はリーガ・エスパニョーラのほぼ全てのライバルに対して繰り返してきたように、チャンピオンズリーグ(CL)決勝の大舞台でも、4−1の圧勝劇を実現してみせた。
1992−93シーズンに現行のCLが始まって以降、初めて連覇を達成したレアル・マドリーは、全てのポジションに有り余るほどのタレントを擁している。拡大し続ける彼らの支配力は、もはや誰の目にも疑いの余地がない。
前半は拮抗した戦いを見せたユベントスだが……
C・ロナウドのゴールで3−1とリードを広げたレアル・マドリー 【写真:ロイター/アフロ】
ユベントスはヨーロッパの大半のライバルを上回る力があり、だからこそ決勝にたどり着いたチームである。彼らは失点後も恐れることなく攻めに出て、マリオ・マンジュキッチがオーバーヘッドでスーパーゴールを決めるという予期せぬ形で同点ゴールを奪った。だが、レアル・マドリーは与えられたわずかなスペースを生かし、その後に何が起こるかを予告していた。ユベントスほど守備組織が整ったチームが、2人のFWを2人のDFだけで止めなければならない状況が生じることなど珍しいことだ。
カゼミーロの勝ち越しゴールが後半に生まれ、立て続けにC・ロナウドのゴールで3−1とリードを広げた時点で、ファイナルの勝者が誰なのか、残り時間を費やすために1チームのみがプレーすることになると、スタジアム中が感じ取った。
ベイル(右)が先発できず、途中出場するポジションすら見つからないほど、レアル・マドリーの強さは際立っていた 【写真:ロイター/アフロ】
もう一方のベンチではマッシミリアーノ・アッレグリがアンドレア・バルザーリを下げてセンターバックを3枚から2枚に減らし、フアン・クアドラードを中盤に投入。終盤にはラフプレーにいらついて気持ちを切らせ、ピッチ上から消えつつあったパウロ・ディバラをマリオ・レミナに代えた。だがアッレグリが講じた手はいずれもほとんど意味をなさず、前線ではゴンサロ・イグアイン、マンジュキッチと他の選手たちとのつながりが完全に途絶えていた。