バルセロナの移行期を締めくくった国王杯 3連覇も課題は山積み、夏に大改革か?

この夏に問題点を解決できるか?

新監督に就任したバルベルデ(右)はどうチームを変えるのか 【写真:ロイター/アフロ】

 ルイス・エンリケが去り、エルネスト・バルベルデが新監督に就任したことで、バルセロナにどのような変化が生じるのかは分からない。新監督はチームのプレーを根本的に変えるのか、それともベースとなる部分は尊重しつつ、システムに修正を加えるのか。そして主力メンバーが欠けるとプレーレベルを維持できなくなる現状を変えるべく、どの選手の補強を求めるのか。

 今のバルセロナには試合を決定づける影響力を持つGKがいない。本職の右SBもいない。中盤は機動力に欠け、ベンチはより強力なバックアッパーを必要としている。

 レアル・マドリーとのエル・クラシコではメッシが終了直前に決勝点を決めることで、結果的に最終節までタイトル争いに踏みとどまることができた。だが今季のバルセロナがレアル・マドリーの背中を追い続けなければならなかったことは確かだ。CLラウンド16のパリ・サンジェルマン戦では歴史に残る大逆転劇を実現したものの、あのような試合を繰り返すのはほぼ不可能。堅守を誇るユベントス相手に奇跡を再現することはかなわなかった。

 こうしてバルセロナは移行期と言える1年を終えた。そして迎えたこの夏、クラブは多くの問題点を解決していかなければならない。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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