日本ダービー過去10年データを徹底解析! 好走条件クリア最上位はペルシアンナイト

JRA-VANデータラボ

前走レース別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走レース別では、1冠目の皐月賞組が3着以内馬30頭中18頭を占めており、まずこの組が中心になる。ただ、出走馬も多く好走確率はさほど高くないため、この組の中での選別が必要だ。

 また、京都新聞杯組の好走3頭は、すべて同レース1着馬。そしてマイルG1(桜花賞、NHKマイルC)からの好走馬4頭は前走3番人気以内。今年は京都新聞杯を制したプラチナムバレットが戦線離脱、そしてNHKマイルC組の登録馬は同レースで人気薄だったため、どちらも好走条件からは外れてしまう。

皐月賞組の前走人気・着順別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走皐月賞組について、その皐月賞での着順と人気別にダービーの成績を調べたのが表5である。着順では4着以内、そして人気も4番人気以内に好走馬が集中しており、皐月賞で5着以下からの直行馬は計【1.2.2.39】複勝率11.4%、皐月賞5番人気以下からの直行馬は【1.0.1.41】同4.7%と苦戦している。

皐月賞組の前走人気・着順組み合わせ別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5にあったように、前走皐月賞組は「4着以内」と「4番人気以内」が目安となるため、その組み合わせ別の成績も調べてみた。好走確率が高いのはやはりその双方をクリアする「4番人気以内かつ4着以内」だった馬で、勝率20.8%、複勝率45.8%。ただ、「4番人気以内で5着以下」に敗退した馬も複勝率は41.7%と、双方をクリアした馬に迫る結果を残している。一方で「5番人気以下かつ5着以下」だった馬は、32頭が出走して馬券圏内はなし。14年タガノグランパ(皐月賞16番人気17着)などの4着が最高のため、皐月賞で「4着以内」か「4番人気以内」のどちらかはクリアしている馬に絞りたい。

前走青葉賞・プリンシパルSからの好走馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に、前走青葉賞とプリンシパルS組の好走馬も見ておこう。この組の好走馬は全馬5番人気以下、5頭中4頭が8番人気以下と穴馬の好走が多い。今回5番人気以内に推された馬は10年に2番人気のペルーサが6着に敗退するなど、表4の右に記したように合計で【0.1.0.8】に終わっている。また、好走5頭中4頭は前走か前々走の1着馬。表4本文に記したように、京都新聞杯組の好走3頭も同レース1着馬だったため、前走がG1以外なら近2走のいずれかで勝利を挙げているか、アントニオバローズのように前々走で皐月賞に出走していることが条件だ。

結論

 日本ダービーは1、3、5番人気の好走確率が高く、近5年の連対馬はすべて5番人気以内。馬体重は480キロ以上、そして枠番別では1〜4枠、特に1枠が好成績を残している。前走別では皐月賞組が中心になり、皐月賞「4着以内」か「4番人気以内」の一方はクリアしていることが条件だ。別路線組(G1以外)なら前走か前々走で勝利を挙げている馬のうち、特に穴馬には注目したい。

 表4〜6にあったように前走別では皐月賞組が中心で、特に「4番人気以内かつ4着以内」をクリアした馬が好成績。今年、この条件に合致するのは皐月賞4番人気2着のペルシアンナイトのみである。皐月賞はアーリントンC1着からという異例のステップでの好走だったが、そのアーリントンCや前身のペガサスS優勝馬が「1冠目(桜花賞・皐月賞)」で馬券に絡むと、「2冠目(オークス・ダービー)」では【1.2.0.1】(着外も4着)。そして2000年以降で皐月賞の1、2着馬がともに4番人気以下だった年のダービーは、皐月賞馬かマイル重賞優勝実績馬が制している、という傾向もある。一方で、今回はM.デムーロ騎手から戸崎圭太騎手への乗り替わりが予定されているが、ダービーで乗り替わった馬は86年以降勝利なし。また、好走の多い今回5番人気以内をクリアできるか(表1)、そして皐月賞の480キロを下回らないかもカギになる(表2)。

 そこで逆転候補を探ると、皐月賞「4着以内」か「4番人気以内」の、いずれかをクリアした馬。さらに、好走の多い480キロ以上になりそうな馬は、まず9番人気で皐月賞を制したアルアイン(同レース518キロ)と、皐月賞2番人気で6着に敗退したスワーヴリチャード(同504キロ)だ。日本ダービーは枠順も重要な予想ファクターになるため(表3)、上記3頭は枠も踏まえた上で最終的な結論を下したい。

 別路線組は、優勝馬を出している京都新聞杯組やマイルG1組が、今年は好走条件から外れてしまうため(表4本文)、青葉賞・プリンシパルS組(表7)が2〜3着候補。この組の好走条件は、前走または前々走の1着馬。今年は青葉賞も含め3連勝中で上位人気(表1)必至のアドミラブル(前走510キロ)がまず挙げられるが、この青葉賞・プリンシパルS組に限れば必ずしも上位人気がプラス材料にはならない(表7本文)。東京3戦3勝でプリンシパルSを制したダイワキャグニー(前走486キロ)のほうが穴っぽい存在だけに、同馬への注目も欠かせない。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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