日本ダービー過去10年データを徹底解析! 好走条件クリア最上位はペルシアンナイト
前走レース別成績
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
また、京都新聞杯組の好走3頭は、すべて同レース1着馬。そしてマイルG1(桜花賞、NHKマイルC)からの好走馬4頭は前走3番人気以内。今年は京都新聞杯を制したプラチナムバレットが戦線離脱、そしてNHKマイルC組の登録馬は同レースで人気薄だったため、どちらも好走条件からは外れてしまう。
皐月賞組の前走人気・着順別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
皐月賞組の前走人気・着順組み合わせ別成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走青葉賞・プリンシパルSからの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
表4〜6にあったように前走別では皐月賞組が中心で、特に「4番人気以内かつ4着以内」をクリアした馬が好成績。今年、この条件に合致するのは皐月賞4番人気2着のペルシアンナイトのみである。皐月賞はアーリントンC1着からという異例のステップでの好走だったが、そのアーリントンCや前身のペガサスS優勝馬が「1冠目(桜花賞・皐月賞)」で馬券に絡むと、「2冠目(オークス・ダービー)」では【1.2.0.1】(着外も4着)。そして2000年以降で皐月賞の1、2着馬がともに4番人気以下だった年のダービーは、皐月賞馬かマイル重賞優勝実績馬が制している、という傾向もある。一方で、今回はM.デムーロ騎手から戸崎圭太騎手への乗り替わりが予定されているが、ダービーで乗り替わった馬は86年以降勝利なし。また、好走の多い今回5番人気以内をクリアできるか(表1)、そして皐月賞の480キロを下回らないかもカギになる(表2)。
そこで逆転候補を探ると、皐月賞「4着以内」か「4番人気以内」の、いずれかをクリアした馬。さらに、好走の多い480キロ以上になりそうな馬は、まず9番人気で皐月賞を制したアルアイン(同レース518キロ)と、皐月賞2番人気で6着に敗退したスワーヴリチャード(同504キロ)だ。日本ダービーは枠順も重要な予想ファクターになるため(表3)、上記3頭は枠も踏まえた上で最終的な結論を下したい。
別路線組は、優勝馬を出している京都新聞杯組やマイルG1組が、今年は好走条件から外れてしまうため(表4本文)、青葉賞・プリンシパルS組(表7)が2〜3着候補。この組の好走条件は、前走または前々走の1着馬。今年は青葉賞も含め3連勝中で上位人気(表1)必至のアドミラブル(前走510キロ)がまず挙げられるが、この青葉賞・プリンシパルS組に限れば必ずしも上位人気がプラス材料にはならない(表7本文)。東京3戦3勝でプリンシパルSを制したダイワキャグニー(前走486キロ)のほうが穴っぽい存在だけに、同馬への注目も欠かせない。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。