【全日本プロレス】 CC覇者・石川が宮原を破り三冠初戴冠 真霜&KAI組が世界タッグ王座を奪取

高木裕美

光留が世界ジュニア初防衛 中島が次期挑戦者に

地元・岡山で世界ジュニアを戴冠した佐藤光留が王座防衛 【写真:前島康人】

 世界ジュニアヘビー級新王者となった佐藤光留は、ブラック・ タイガーVII退け初防衛に成功。V2戦は挑戦者・中島洋平の地元である6.16北海道・函館大会に決定した。

 地元である4.28岡山大会で王座を戴冠し、聖地に凱旋した佐藤に対し、タイガーVIIは開始早々、ドラゴンスクリュー、LOVEポーズからのシャイニングウィザードを繰り出すと、セコンドの南野との合体鉄柱急所攻めからイスで殴打し、ハサミで髪を切り捨てるなどの暴挙。だが、佐藤はタイガーVIIの得意技であるラ・マヒストラルを切り抜けると、ジャンピングハイキック、投げ捨てジャーマンスープレックスからの捕獲式腕ひしぎ逆十字固めでギブアップを奪った。

 試合後、2月の「Jr. BATTLE OF GLORY」公式戦で佐藤に勝利している中島が王座挑戦を表明。「あなたは地元・岡山で取ったけど、オレも6月、函館、地元に錦を飾る準備、できてます」と、自身のデビュー10周年記念大会での王座戴冠を訴えると、佐藤も「いつでもいいぜ、かかってこいよ」と挑戦を受諾した。

秋山が長井を制裁 それでも悪態をつく

秋山は長井に自作のタオルを渡し握手を求めたが、長井は簡単に応じなかった 【写真:前島康人】

 GAORA TVチャンピオンシップ選手権試合では、王者・秋山準がダークナイトメアの長井満也を下し初防衛に成功した。試合前に、「負けたらスイートナイトドリームに改名しろ」と長井に要求していた秋山は、早くも「SWEET NIGHT DREAM」のロゴが入ったタオルを持参し、長井に揺さぶりをかける。だが、長井もセコンドの南野タケシを試合に介入させたり、チェーンで首を絞めたり、さらには李日韓レフェリーにまで暴行したりとやりたい放題。だが、秋山も尊敬する故ジャンボ鶴田さんの代名詞であったジャンピングニーからの「オー」で闘志に火をつけると、ヒザ蹴りからのリストクラッチ式エクスプロイダーで勝利した。

 敗れた長井は「オレも男だ。今日はその約束、キッチリ守ってやろうじゃねえか」と、SWEET NIGHT DREAMのタオルを肩にかけるも、直後に秋山を襲撃し、さらには自分のことを棚に上げて「ハゲ社長」呼ばわり。これには秋山も「ハゲがハゲって言うんじゃねえ。悔しかったら来い、何回でも」とやり返すと、場内からは拍手喝采(かっさい)が起こった。

 バックステージで「せっかくこれ(SWEET NIGHT DREAM)作ったのに。いいよ、もう、悪夢にうなされてろ」と好意を踏みにじった長井の言動にふてくされた秋山だが、今後の防衛ロードについては「ほかのベルトとは違うことをやりたい。挑戦したいなら誰でもいい。まだ勝利したことがない岡田でもいいよ」と、今年デビューしたばかりの新人・岡田佑介の名前も候補に挙げた。

「鶴田さんを忘れずにいてくれたのがうれしい」

ジャンボ鶴田さん追悼試合を戦った渕、カブキら 【写真:前島康人】

 ドリー・ファンク・ジュニアPWF会長の提唱により新設された!BANG!TV 世界ヘビー級王座をめぐり、階級もキャリアもバラバラな8選手がバトルロイヤルで激突。ざまざまな人間模様が繰り広げられる中、王者・西村修が最後に残った青柳優馬を回転足折り固めで丸め込んで3カウントを奪った。

 また、17年前にフィリピン・マニラで手術中に出血多量で亡くなった“怪物”ジャンボ鶴田さんのメモリアルマッチが行われ、渕正信&ザ・グレート・カブキ組が大森隆男&井上雅央組に快勝。

 試合後は追悼の10カウントゴングも鳴らされた。すでに還暦を超えた渕は、49歳で亡くなった鶴田さんに対し「17年経っても声援が起こることに、改めて偉大さを感じる。馬場さん同様、鶴田さんのことを皆さん忘れずにいてくれたのが本当にうれしい。今年はなんといっても全日本プロレス45周年ですから、特に感慨深いものがある」と故人を偲んだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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