春の盾は2強決着か、それとも波乱か? 過去10年1番人気は壊滅…激走穴馬はコレ
前走レース別成績
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走レース・着順別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走4着以下からの好走馬
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
5番人気以下の好走馬(表6以外)
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
表1で記したように、過去10年の1番人気馬は連対なしに終わっているため、今年はまずサトノダイヤモンドとキタサンブラックのどちらが1番人気に推されるかが焦点になる。また、表3にあるように枠順も重要なファクターだ。
枠順確定前の本稿執筆時点では、まず表5から前走1着馬。キタサンブラック(大阪杯)、サトノダイヤモンド(阪神大賞典)、シャケトラ(日経賞)、そしてアルバート(ダイヤモンドS)だ。中では、昨年の優勝馬・キタサンブラックが有力だ。上位人気に推された5歳馬や大阪杯組は安定しており、既に昨年同じステップで優勝していることも後押しとなる。枠や人気など未確定な部分もクリアできれば、連覇の可能性は高まりそうだ。
サトノダイヤモンドやシャケトラは、人気馬の前走別や年齢別でキタサンブラックには譲るものの、大きな割引材料まではなく、特に連対候補という意味では日経賞1着(表5本文)のシャケトラには注目できる。ただ、08年以外は6番人気以下から毎年1〜2頭が馬券に絡んでいるため(表1本文)、上記3頭のいずれを軸に据えるにしても、人気馬ばかりの組み立ては避けたい。そういった面も含めると、前走1着馬の中ではもっとも人気薄になりそうなアルバート。ダイヤモンドS1着で「5番人気以下」の好走条件はクリアし(表7)、この4頭の中では唯一の6歳馬(表2)でもある。中位人気の中で唯一連対のある7番人気に推されるようなら、より楽しみが広がってくる。
前走1着馬以外では、前走馬券圏外かつ2桁人気くらいの人気薄が予想される馬(表6〜表7)。表6からG1実績や年内の3000m級の実績に注目すると、前々走で3000mの万葉Sを制してきたタマモベストプレイ、そしてダービー馬・ワンアンドオンリー。もう1頭、人気面はクリアできないだろうが、フェノーメノが巻き返した例のある日経賞5着・ゴールドアクターも挙げておきたい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。