69年ぶり牝馬Vの快挙なるか!? 皐月賞との相性をデータで探る

JRA-VANデータラボ

皐月賞の馬主別成績(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は馬主別成績。過去ではサンデーレーシングが3勝、そして社台レースホースが2勝。吉田照哉氏も1勝を挙げており、社台系の強さが際立っている。8位だがキャロットファームは2着が3回。近年相性がいい馬主と言えるだろう。

皐月賞の生産者別成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は生産者別成績。表4ですでに傾向は出ているが、社台系が強いことは明らかだ。ノーザンファームと社台ファームが3勝。社台コーポレーション白老ファームが2勝を挙げている。皐月賞に限らないが、クラシックにおける社台ブランドの強さは伝統だ。

皐月賞出走馬の前走レース別成績(過去10年)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に出走馬の前走レース別成績を見ていく(表6参照)。注目すべきは1位が共同通信杯組で4勝をマーク。昔からクラシックへの登竜門と言われる重要なレースではあるが、近年の勢いがすさまじい。12年ゴールドシップ、14年イスラボニータ、15年ドゥラメンテ、そして昨年のディーマジェスティが勝ち馬として該当。つまり3年連続で共同通信杯からの直行馬が優勝しているというわけだ。これは特筆すべき傾向で、弥生賞やスプリングSといったトライアル組を押さえている点で驚きだ。その他の組では若葉Sから好走馬が出ており、好走率は弥生賞などに比べてヒケは取らない。連対馬に関して言えば、この4レースからしか出ておらず、共同通信杯組vs.トライアル組という図式が成り立っている。

結論

 それでは今年の皐月賞を見ていこう。出走予定馬は表7の通り。

表7 今年の皐月賞出走予定馬(1) 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず騎手で注目できるのは岩田騎手、デムーロ騎手。そして福永騎手あたりになるだろうか。厩舎では池江泰寿厩舎。アルアインとペルシアンナイトの2頭出しとなる。音無秀孝厩舎も過去10年で勝ち鞍があり、2頭出してもある。

 馬主ではサンデーレーシングの2頭で、アルアインとダンビュライト。キャロットファームからはレイデオロが出走予定だ。生産者部門ではノーザンファームを中心に社台系が多数出走予定。今年も層の厚さを感じさせるラインナップだ。

表8 今年の皐月賞出走予定馬(2) 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走レース別(表8参照)では、共同通信杯組のスワーヴリチャードに注目。トライアル組では弥生賞を勝ったカデナ、スプリングSを勝ったウインブライトを中心に多数いる。

 これらの要素を総合的に考えると、池江泰寿厩舎のアルアインペルシアンナイトに目が行く。前者は馬主がサンデーレーシングで、生産者がノーザンファーム。ただし、前走が勝っているとはいえ実績がない毎日杯組。騎乗予定の松山騎手もG1ではまだ勝利がない。後者のペルシアンナイトはデムーロ騎手が騎乗予定なのが強み。馬主はG1レーシングで、生産者は追分ファームだが、結局は社台系であるのでプラス材料と考えていいはずだ。ただ、前走がアーリントンCであるという点がマイナス材料だ。

 注目のファンディーナは、岩田騎手が騎乗するという点が頼みの綱。ライバルとなりそうなスワーヴリチャードは共同通信杯からの直行だが、近年の流れからは逆にプラスと考えられる。ノーザンファーム生産馬である点も好感が持て、有力馬の1頭とみたい。あとは、音無秀孝厩舎で馬主がサンデーレーシング、ノーザンファーム生産馬で前走弥生賞組のダンビュライトに注目。近年武豊騎手は皐月賞であまり実績はないが、軽視はしたくない。当然ながら腕は確かで、過去の実績も十分だ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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