【ボクシング】9万人を集め行われるヘビー級メガファイト! ジョシュアvs.クリチコ〜両者の足跡と縁〜
地元ロンドンに元3団体統一王者クリチコを迎えタイトルマッチに臨むIBF世界ヘビー級王者ジョシュア 【写真:ロイター/アフロ】
この両者による世界ヘビー級タイトルマッチが4月29日(日本時間30日)、イギリスのロンドン、ウェンブリー・スタジアムで行われる。発売と同時に9万枚のチケットが完売するほどの注目カードは、現時点では2対1でジョシュア有利というオッズが出ている。両者の足跡や縁を紹介したうえで、この注目ファイトの行方を占ってみたい。
18戦全KO勝ち 昇り龍のジョシュア
13年10月にプロ転向を果たしたあとはKOの山を築いており、その数は18まで伸びている。しかも14戦目まではすべて3回以内でけりをつけるという速戦即決ぶりだ。イギリスの国内王座や英連邦王座などを獲得後、昨年4月にサウスポーのチャールズ・マーティン(米国)を2回KOで屠ってIBF世界ヘビー級王座を獲得した。6月の初防衛戦では同じロンドン五輪組のドミニク・ブリージール(米国)を7回TKOで退け、12月のV2戦ではクリチコがリングサイドで観戦するなか3回TKO勝ちを収めてみせた。
ジョシュアのボクシングのセールス・ポイントとしては、スピードとパワーを挙げることができる。伸びのある速い左ジャブで相手を後退させ、鋭く踏み込んで切り札の右ストレートを打ち込むという比較的シンプルなスタイルでKOを量産してきた。基本に忠実なタイプといっていいだろう。その一方、耐久力やスタミナ面は十分に試されているとはいえない。このあたりに一抹の不安は付きまとう。
28度の世界戦を経験しているクリチコ
世界王座を通算23度防衛した実績を持つ41歳の元王者クリチコ 【Getty Images】
「スティール・ハンマー」というニックネームを持つクリチコは、96年アトランタ五輪スーパーヘビー級覇者でもある。つまりジョシュアの4大会前の先輩金メダリストということになる。アマ戦績は140戦134勝(65KO)6敗。もちろんプロでも大先輩だ。プロデビューが96年11月だから、キャリアは20年超ということになる。通算戦績は68戦64勝(53KO)4敗。世界戦だけでもジョシュアの全試合数を大きく上回る28戦(25勝19KO3敗)を経験している。
クリチコは左ジャブを突きながら相手をコントロールし、好機に右ストレートを叩き込むスタイルを身上としている。戦い方はジョシュアと似てはいるが、スピードよりもパワー重視のボクシングといえる。接近戦では巧みなクリンチで相手の攻撃を寸断するなど、ベテランならではの狡猾な面もある。
ただ、4敗のうち3敗がKO(TKO)によるものであることでも分かるように、決して打たれ強いタイプではない。加えて15年11月にWBA、IBF、WBO3団体王座を失ってから1年5カ月も試合から遠ざかっており、このブランクとともに41歳という年齢も気になるところだ。
Written by ボクシングライター原功
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2017年4月30日(日)午前6:00〜 [WOWOWライブ] ※生中継
<WBA・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ>
アンソニー・ジョシュア(イギリス/IBF世界ヘビー級チャンピオン)
ウラディミール・クリチコ(ウクライナ/元3団体統一世界ヘビー級チャンピオン)
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