開幕3カード消化で明暗くっきり セは無風? パは春の珍事?
巻き起こる春の楽天旋風
2番ペゲーロという攻撃的布陣を敷く楽天。ここまで7勝1敗でリーグ首位に立っている 【写真は共同】
岸孝之がインフルエンザ、則本昂大がWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の影響で開幕戦を回避、開幕ローテ入り確実だった安樂智大も故障離脱するという手負いの状態から始まった今季の楽天だが、オリックス相手に敵地3連勝を飾って勢いに乗ると、続くソフトバンク相手にも堂々と立ち向かって2勝1敗と勝ち越しに成功。千葉ロッテ相手にも2連勝し、開幕8試合で7勝1敗の首位に立っている。
開幕ダッシュを支えているのは好調な打線。1番・茂木栄五郎の後、ペゲーロ、ウィーラー、アマダーの助っ人トリオを並べる新打線がハマった。特に攻撃的2番に座るペゲーロが打率3割7分(27打数10安打)3本塁打10打点と爆発し、その3本塁打すべてが決勝弾となるなど勝負強さを見せつけている。同時にルーキーの森原康平、新外国人のハーマン、そしてWBCを経験した松井裕樹の新勝利の方程式が完璧に機能。ブルペン陣の充実ぶりも旋風の大きな要因となっている。
前年度の日本一チームに起こった多重苦
3位にはソフトバンク、4位には埼玉西武がつけるが、ともに及第点のスタート。その一方で苦しんだのが5位のロッテだ。
オープン戦で13勝2敗3分けという好成績で断トツの首位だったのがウソのように開幕4連敗。日本ハムに2連勝して立て直したかに思えたが、楽天に2連敗を喫し勢いに乗れず。鈴木大地が打率4割6分4厘(32打数13安打)、井上晴哉が打率3割4分5厘(29打数10安打)と好調な一方で他の打者は低迷。チーム打率1割9分8厘で1試合平均2.9得点と、打線がつながらずに黒星が重なった。
そのロッテよりも下位に沈むのが、開幕9試合で2勝7敗の日本ハムだ。
ロッテよりも1試合多く消化しながら、総得点はリーグワーストタイの23得点で、計42失点は12球団ワースト。投打ともに機能せず、守備でもミスが続出する中、バットで気を吐いていた大谷翔平が8日の試合で左太もも裏肉離れを発症し、ゲーム復帰まで4週間程度の見込み。さらに翌9日の試合では中田翔、レアードがそろって負傷退場と、黒星だけでなく故障者も重なった。元々、少数精鋭で戦う日本ハムにとっては主力の故障は致命傷。北海道の桜の季節が訪れる前に、昨季王者が早くも正念場が訪れている。