アロゲート鉄板も包囲網には大きな穴……ドバイWC日本勢、上位進出のチャンス
軸は不動、2番手以下が非常に難解
ドバイワールドカップの2番手以下は大混戦、アウォーディー(右から2頭目、黒帽子)ら日本勢にもチャンス十分だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
日本で馬券を買って観戦するファンとしては軸を容易に決められるだけに、アロゲートはありがたい存在かもしれない。しかし、2番手以下の序列決定は力関係だけでなく、戦略面も含めて非常に難解だ。
ドバイWCの賞金は2着で200万ドル(約2億1000万円)、3着でも100万ドル(1億500万円)と、高水準とされる日本のG1の1着賞金に優るとも劣らない高額を誇る。外国勢にはより魅力的に映るはずで、名より実を獲りにくる陣営が現れても不思議なない。予想だにしない展開となる可能性も頭の隅に置いておく必要がある。
アロゲート包囲網の中心は米国馬4頭
アロゲートと同様に逃げを含めた先行力があるものの、前回の対戦ではハナを譲ったガンランナーが、今回は主張するケースも考えられる。ただし、秋のBCではアロゲートのいるクラシックを避け、距離の短いダートマイルを選択したように、2000mでの再戦となると分が悪そうだ。
ホッパーチュニティは昨年のWC3着という実績があるが、BCクラシックではアロゲートに11馬身余りも突き放された。キーンアイスもアロゲートとの2戦で11馬身余りの差をつけられており壁がありそう。BCクラシックではホッパーチュニティに1/4馬身先着したが、昨年のWCでは8着に沈んでおり、両馬は同じ末脚勝負型で展開次第の関係にある。
日本勢は独特のスピード競馬に対応できれば
アロゲートと本場アメリカ勢、そして昨年のWC上位馬との間に明確な差が開いているだけに、日本から参戦するゴールドドリーム、アポロケンタッキー、アウォーディー、ラニの4頭には割って入ってほしいところ。それぞれの脚質的にも先行争いに巻き込まれる心配はなく、独特のスピード競馬に対応できればチャンスもある。