アロゲート鉄板も包囲網には大きな穴……ドバイWC日本勢、上位進出のチャンス

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ポストポンド、シーマクラシック連覇なるか

前年覇者ポストポンドが叩き2走目本領発揮 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年は9頭で争われたシーマクラシックだが、今年はさらに2頭減って7頭立ての少頭数となった。実力通りに決まりやすいとされる長距離戦で少頭数ならば、順当な決着を前提に考えるべきだろう。

 昨年、世界の2400m戦線をリードしたポストポンドとハイランドリールが今年も参戦してきた。ポストポンドは昨年のシーマクラシック優勝馬であり、ハイランドリールは逃げてペースを作っている。お互いに手の内を知り尽くした関係でもあり、実力馬2頭が展開を支配すると見て間違いない。

 ポストポンドは前哨戦のドバイシティオブゴールドでまさかの2着に敗れたが、陣営は快勝した昨年ほどの状態になかったという見解。前半に折り合いを欠き、終盤の伸びを欠いた内容は確かにポストポンドらしくない内容だった。背後で徹底マークしていたプライズマネーら、3頭出走のゴドルフィン勢の戦略にもしてやられた感。もともと間隔が開いても問題ないタイプだけに、いつもと違う形になってしまった点は気懸かりなものの、5か月ぶりをひと叩きされて本来の走りを取り戻すのは必至だろう。

ハイランドリールは展開が鍵に

 昨年のハイランドリールは主導権を握りながらも4着に終わった。勝負所からの加速力に欠け、ポストポンドにも直線早々に勝負をつけられている。今年のメンバーを見渡すと再び逃げるのが濃厚だが、昨年と同じローテーションで臨むあたりが、糧となって表れるか、同じ轍を踏むことになるのか計りかねる。しかも、2番手でマークする相手が昨年より強化される可能性が高い。

 その相手がジャックホブス。2400mでは前々からレースをできるタイプで、愛ダービーを3番手追走から制している。約2年前の話ではあるものの、この時にハイランドリールには11馬身余り先着した。その後は故障もあってわずか4戦しかできていないが、英チャンピオンステークスで2年連続3着とレベルの高いレースをしており、ようやく予定通りに事が運んだ今回は要注意。昨年のシーマクラシックで2番手を追走したのは距離実績のないゲイロショップだが、ジャックホブスにマークされる格好になると、ハイランドリールにはより厳しい展開となる。

日本期待のサウンズオブアースにも勝機あり

 日本期待のサウンズオブアースは、これらの強豪を見ながら型通りに末脚勝負。ポストポンドは昨年のシーマクラシックで終盤800mを46秒3で上がったが、昨秋のジャパンカップでキタサンブラックが上がり800m46秒6でまとめた展開を、サウンズオブアースは4角9番手から2着に差し込んでいる。ハイランドリールともどもペースを握るメンバーに変わりがないだけに、今年のシーマクラシックも似たような展開になる可能性は高い。少頭数で自ずと位置も前になるため、優勝争いに絡むチャンスは十分にあるだろう。

 紅一点のセブンスヘブンも侮れない。BCフィリー&メアターフは勝負所で捌けず4着に敗れたものの、ヨークシャーオークスの内容が示す通り、広いコースで長く脚を使う形がベター。今回はBC以来の上に名手R.ムーア騎手も同厩のハイランドリールを選択した格好だが、この馬には7か月ぶりの実戦を快勝した実績があり、S.ヘファナン騎手とのコンビでも愛オークスなど2勝している。

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