先発ストローマン「大舞台が好きなんだ」 アメリカ4選手がWBC優勝会見に登場

永塚和志

ホスマ―「いつも勝ちたいと思っている」

 以下、クロフォードとホスマーの一問一答。


――日本やベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国のような国々は大会前から優勝目指して意気込んで入ってきていますが、アメリカの場合はどうだったのでしょうか? 大会が進むにつれて優勝への機運が高まったという感じだったのでしょうか?

クロフォード:オレたちも大きな目標を持って大会に入ったよ。良いチームを組んできたしね。ジョー・トーリGMと他のみんなが良いチームをつくり上げた。オレにとってはこのチームで素晴らしい経験ができたと思っている。オールスター選手だし、ゴールドグラブ選手でもあり、シルバースラッガー獲得選手でもある。そんな選手がこのチームに集結したんだ。この大会に参加して、そんな仲間とプレーし、彼らがどういう選手か知るのは本当に楽しかったし、その一員で良かったと思っているよ。優勝したことで余計にそう思うね。本当に楽しかった。

――ワールドシリーズ優勝とWBC優勝を比較してください。

クロフォード:2つは違うものだよ。まったく違うもの。これはもっと楽しいものだね。オールスター級の選手とプレーし、彼らと知り合ったのは楽しいものだった。だけどこれは3週間のイベントだからね。ワールドシリーズの優勝は、6〜7カ月一緒に戦うということ。162試合のシーズンを戦い、さまざまなアップダウンを経て勝ち取るもの。だから違うものだよね。これは数週間の大会で、だけどそれはそれですばらしく、絶対に忘れない経験だよ。だけど2つは違うものだよね。

――アメリカの国民の娯楽と呼ばれる競技での国際大会で、そのアメリカがタイトルを取ったことについてはどう思いますか?

クロフォード:最初からこれは絶対に勝ちたいと思っていた。個人的には、それが裏庭でのバスケットボールの試合だろうと、ビデオゲームだろうと、WBCだろうと勝ちたいんだ。今回、クラブハウスには勝ちたいと思う選手ばかりがいた。アメリカが勝ったことがないということで、この優勝はさらに特別なものとなった。だけど勝ったことがないということはさておき、やっぱりオレたちは勝ちたいという気持ちが強いチームだったのさ。

ホスマ―:ブランドンが言ったように、何をやるにしてもオレたちは競争者だし、いつも勝ちたいと思っている。だから初めてアメリカにWBCのタイトルをもたらしたということは本当に素晴らしいことだ。アメリカに初優勝をもたらしたチームとして長く記憶に残るだろうね。

「みんなアメリカのために集まった」

――プエルトリコを破ったというだけではなくて、完封しました。これも素晴らしいことだと思います。

クロフォード:グレートなピッチング。それに尽きるね。ストローマンが初回からすばらしく、シンカーとオフスピードの球、それに投球フォームをいろいろと変えながら、相手にタイミングを取らせなかった。だから後ろで守るのは本当に楽しかったよ。とりわけシンカーの時にはね。今日は多くのゴロアウトを取ってくれた。それに尽きるよ。オレ自身としては守備でそれほど大変だったということもなかった。ブルペンも相手を完全に封じてくれたし、それもすばらしかったね。

――アメリカ代表でプレーする大きさというのはどういうものですか?
 
ホスマ―:前回大会とそう違っていたわけではないんだ。前回だって全力を尽くして勝利を目指していたしね。特別だと思ったのは、この大会を通じてファンが一つになり、選手の所属に関係なく応援してくれたことだね。みんなアメリカのために集まったんだ。このチームにはオールスター選手もいるし、スーパースターぞろいだ。その中でやり慣れていない役割をこなした。毎日、どの選手もグラウンドに来て、勝つために最大限の準備をした。そういうチームにいれば何か特別なことが起きたりするもの。実際そうなったわけさ。つまりオレたちはアメリカに金メダルをもたらしたということさ。その一員になれて最高の気分さ。

クロフォード:大学時代にもアメリカ代表になっているから、またちょっと違う感覚かもしれない。その時は将来のメジャーリーガーとプレーし、金メダルをもたらした。それと今回は似たところがあるかな。その時も素晴らしい体験だったよ。だけどその夏は、アメリカは優勝候補だった。みんなオレたちを倒そうと向かってきた。だけど今回はそうじゃなかった。ドミニカ共和国やプエルトリコ、日本といったチームのことばかり話していた。(プエルトリコと日本は)1次、2次ラウンド無敗で注目を集めていた。だけどオレたちはそんな素晴らしいチームを破って金メダルをもたらしたのさ。

「次回は年寄りになってるよ」とクロフォード

――タイトルを守るのは4年後となります。ずいぶん長い時間にも思えますが、2人は4年後もまだ選手としてピークにあると思います。次の大会に参加するのは楽しみでしょうか?

クロフォード:まだピークだといいんだけどね。34歳になってしまうからね。その頃は年寄りになってるよ(笑)。つまり、それほど長い年月だということさ。毎年いろいろなことが起こる。4年目にそのことを間違いなく検討するだろうね。個人的には、今はワールドシリーズでの優勝を楽しみにしている。今回はプレーオフのような雰囲気で少し練習したようなところがあったわけだから、これからジャイアンツのキャンプに戻って準備をして、10月にプレーをしていたいね。

ホスマ―:ブランドンが言うように、俺たちは162試合を戦わねばならず、その準備が必要だ。選手はそのためにオフにトレーニングをして、また山あり谷ありのシーズンに備えるんだ。このオフシーズンはいつもと違った。WBCのために準備を早めねばならなかったからね。それがこのチームに加わった選手を特別な存在にしている。みんなWBCに出たいと思い、準備してきたわけだから。犠牲ということではないけれど、早めにトレーニングを始め、打撃でいえば、本来スプリングトレーニングでするような練習を繰り上げてしてきたわけさ。

――このアメリカ代表チームとその選手たちを恋しくはならないでしょうか?

ホスマ―:普段のリーグでも対戦相手として何度も顔を合わせるからね。野球というのは基本的には同業者の集まりだから。オレたちが過ごしたこの時間を忘れることはない。アメリカ代表として初めて母国に金メダルをもたらすことができた経験はかけがえのないものだ。だけどおかしなもので、自分たちのチームへ戻ってシーズンモードに入れば、今度はプレーオフと、最終的にはワールドシリーズを目指していくのだから。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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