日本、米国戦へ“攻め”の姿勢を強調 決戦の地での前日練習では柵越え連発

永塚和志

「やるしかない」と力強い言葉

準決勝のアメリカ戦を翌日に控え、ドジャー・スタジアムで練習を行う日本代表 【写真は共同】

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、アメリカとの準決勝を目前に控えた日本代表(侍ジャパン)が、現地時間20日の午前中に試合会場のロサンゼルスのドジャー・スタジアムで全体練習を行った。

 東京ラウンドでの激戦の連続を経て、アリゾナでカブス、ドジャースとメジャーリーグとの強化試合2試合をこなしたチームは、前日にロサンゼルス入り。どの選手も一様に疲れがあることは認めたが、一方で負ければ敗退の重要な一戦に臨むにあたって「やるしかない」と力強い言葉を残した。

菊池、守備練習で「守りやすい」

守備練習でドジャー・スタジアムの感触を確かめた菊池は「守りやすい」とコメント 【写真は共同】

 練習の模様からは、頼もしい姿が見られた。20日夜には準決勝第1戦、プエルトリコvs.オランダが行われるため日本は午前10時という早い時間から練習を開始。夏のような暑さのアリゾナから一転、やや肌寒い天候ではあったが、慣れない球場の状態の確認を含めて選手は元気にメニューをこなした。

 原辰徳氏や山本浩二氏といった過去に監督としてWBC日本代表を率いたお歴々が見守る中、打撃練習では筒香嘉智や松田宣浩、内川聖一、菊池涼介らが次々と柵越えの当たりを見せるなど、バットがよく振れているところを見せた。

 菊池などは打撃練習の最後で大きな一打を放ち「Yes(やったぜ)」と快心の当たりを喜んでいたほどだが、得意の守備面でも「マツダ(スタジアム)の芝目は長く、こっちのは短いが守りやすい」と不安はない様子だった。また侍ジャパン唯一のメジャーリーガーでドジャー・スタジアムでのプレー経験もある青木宣親は球場の形状から風が吹き抜けてくる箇所があることや、ポール際へ転がる打球がフェンスに当たって一気にフェアグラウンドに戻ってくることなどの注意点をチームメートに伝えたという。

大リーガー青木はアメリカを警戒

 青木はまた、自らのメジャーでの経験から相手投手や打線のプレースタイルや傾向を知りうる限り教える用意があると話したが、一方で自軍のスコアラーのほうがデータは豊富に有しておりミーティングでも情報共有ができているということで、その上で付け加えるべきことがあれば助言すると話した。

 対戦するアメリカは、2次ラウンド最終戦で前回王者のドミニカ共和国を撃破し波に乗っており、厳しい一戦になる。スーパースターが少ないなどと揶揄される今回のチームだが、青木は「守りにしても打つ方にしても確率の高い選手を集めた印象がありこういう短期決戦では強いのではないか」と警戒する。

 日本にとっては「完全アウェー」の戦いとなることが予想されるものの、だからこそ相手を必要以上に警戒せずにアグレッシブに戦うことが肝要だ。

「とにかく先手必勝。先に、先に(動いていく)。9回が終わったときに1点でも上回っていたい」

 青木はこう強調した。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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