キプサングが語るマラソンを速く走る秘訣 夢の『2時間切り』へ「トライし続ける」
東京マラソンを2時間3分台の驚異的なタイムで優勝したキプサング選手にインタビュー 【赤坂直人/スポーツナビ】
11年のフランクフルトマラソンで初めて2時間3分台(2時間3分42秒)を記録すると、13年のベルリンマラソンでは当時の世界記録となる2時間3分23秒、昨年のベルリンでも2時間3分13秒と、史上初めてフルマラソンを4度も2時間3分台で走っているランナーとなった。
安定した速さを誇るキプサングが協力しているプロジェクトがスポーツブランド・アディダスの『Sub2 プログラム』。フルマラソンにおける夢である「2時間切り」を達成するため、トップアスリートに向けたシューズ開発などを行っている。今回の東京マラソンでキプサングが着用したシューズも、そのプロジェクトの一環で作られたものだった。
今回は東京マラソン優勝後のキプサングにインタビュー。日々のトレーニングや、今後の目標などについて聞いてみた。
青山学院大の選手たちは「情熱を持っていた」
キプサングは東京マラソンを優勝した後日、青山学院大駅伝部の特別コーチも行った 【写真提供:adidas】
レースをすごく楽しむことができました。初めての東京で(国内)最速タイムが出せて良かったです。パフォーマンスも良かったと思います。
――今回が2度目の日本でのレースでした。日本の印象は?
日本はいい国だと思います。初めて日本に来た時、(2011年の)びわ湖毎日マラソンでも優勝(2時間6分13秒)できましたし、今回も優勝することができたので、相性が良いかも知れませんね。
――レース後の28日には、箱根駅伝を制した青山学院大でコーチもされたとのことですが、日本の学生たちはどうでしたか?
すごく情熱を持っていると思いました。トークセッションをした後、すぐにトレーニングへ向かう選手もいたので、すごく真面目で真剣だなという印象です。これからフルサポートすることができれば、ランニングのパフォーマンスももっと上がると思います。
ハードワークとイージーランを交互に行う
マラソンのコツについては、まず第一は才能かと思います。走る才能が必要です。そして2番目がトレーニングを一生懸命行うこと。かなりのトレーニングを積んで、準備万全で臨むということが大事です。
――現在は出身地であるケニアのアイトンという高地(標高2400メートル)で練習をされているとのことですが、どんなトレーニングをされているのでしょうか?
トレーニングのほとんどがスピードセッションです。あとは持久走ですね。スピードトレーニングを週2回、持久走に関しては週に1回です。持久走は長くて40キロぐらい。ペースに関しては、本番のレースまでの期間によりますが、レースから時間がある時はかなりゆっくりで、近づいてきたら速くしています。
――スピードトレーニングと持久走を行わない日はどんな練習をしているのですか?
イージーランです。大体いつもスピードトレーニングをした翌日はイージーランを行い、その翌日に持久走。そしてイージーランの日を入れるなど、交互にトレーニングをしている感じです。
――イージーランの目的はリカバリーするため?
そうですね。前日のハードワークからの回復と、次のハードワークのための準備です。
――回復のためのイージーランはどれぐらい走るのですか?
距離はその日の体調によって変えていますが、15キロとか20キロぐらいですね。大体1キロ5分のペースで走っています。