井上大仁「粘れば勝てると思っていた」 東京マラソン注目選手レース後コメント
井上大仁が2時間8分22秒で日本人トップになり、世界選手権代表選考の俎上に載った 【赤坂直人/スポーツナビ】
今大会では、3年後の東京五輪での活躍が期待される若手ランナーもマラソン初挑戦。昨夏のリオデジャネイロ五輪の1万メートル日本代表で、今回が初マラソンとなった設楽悠太(Honda)は、38キロ手前で井上にかわされたものの、序盤から積極的な走りを見せて2時間9分27秒の「サブ10(2時間10分切り)」を達成。全体でも11位に入った。また、箱根駅伝を3連覇した青山学院大の中村祐紀は、2時間12分58秒で18位。1月の全日本実業団駅伝で“エース区間”4区で区間賞を獲得した市田孝(旭化成)は2時間19分24秒で50位だった。
一方、2度目のフルマラソンで世界選手権の代表を狙った服部勇馬(トヨタ自動車)は、自己記録を2分上回る2時間9分46秒をマークしたものの、日本人4番手の13位に終わり、選考の俎上(そじょう)に載ることができなかった。
以下、レース後の井上、山本、設楽、中村、市田のコメント。
井上大仁(MHPS)「日本人トップはすごく自信になった」
井上は日本人トップになれたことに「自信になった」とコメント 【赤坂直人/スポーツナビ】
今回の結果は正直なところ、うれしさ半分、まだまだこれからやることがたくさんあるなという気持ちが半分です。日本人トップという結果は自分の中でもすごく自信になりましたし、今までやってきたことが結果として出たことは非常にうれしいことではありました。ただ、トップで走った(ウィルソン・)キプサング選手は2時間3分(58秒)という記録。そこが自分と世界との差なので、今後さらに詰めていかないといけないところですし、それを詰めるには今後どうしなければならないかを考えて取り組まないといけないと思います。
(先行していた設楽選手に対しては)ずっと「いつかは追いつける」というのを気持ちに置いて走っていたのですが、確実だなと感じたのは、30キロあたりから「詰まってきているぞ!」と沿道から声をかけていただいた時。「これはいけるぞ」と感じました。
(38キロ手前で設楽選手に追いついた時は)終盤は体もかなりガタが来ていて、脚もそこに行くまでに使ってしまっていてほぼ残っていなかったので、設楽選手がどれだけ(脚が)残っているかも気になりましたし、設楽選手も強い選手で簡単には引き離せないと思っていました。ただ、最後まで粘れば勝てると思いましたし、実際に引き離せた時は、離れそうになっていたので、ここしかないと思って、正直言うと「ここで離れてくれ!」と思って、思い切ってスパートをかけました。その後は絶対に離すというか、絶対に付かせないという気持ちで走りました。
(初マラソンとなった)前回のびわ湖毎日マラソン(記録は2時間12分56秒)を走った時は、すごく準備不足だったなというのを走った後に痛感しました。マラソンというのは練習した分しか走れないですし、逆に練習がしっかりできていれば結果に結びつくと信じて、今回は距離や質を落とさないように意識しました。去年よりはかなり余裕度を持ってできたのが、(結果が)良かった原因だったと思います。30キロ過ぎからの粘りも、「練習でやってきたことを出せれば、自分は大丈夫だ」と言い聞かせながら粘って、後半追い上げることができました。
(東京マラソンの新コースを走ってみて)感想としては、コースの起伏よりは、沿道の応援やそこにいたるまでの雰囲気が、東京マラソンは大きな試合で(他とは)違うんだなと思いましたし、そういう部分で気持ち的にも乗るというのもありました。また前半は下っているので非常にスピードに乗りやすかったです。練習については、(びわ湖毎日マラソンと比べて)これといって内容やフォーム自体を変えたというのはないですが、40キロという長丁場に耐える脚作りをするという意味では、ポイント練習に合わせるために間の練習を休むのではなく、間の練習もしっかりこなしつつ、ポイント練習をするというのを意識してきました。
(今大会で見つかった課題としては)今のところはまだざっくりしていますが、なんと言っても先頭についていける、高いレベルで走れるように地力を上げないといけないというのは感じました。それは今後練習する中で少しずつ高めていきたいと思います。今回こういう結果で自信にもなり、弾みがついた部分もありますが、ここに満足せずに次のステージ、今年の世界選手権の代表に選んでいただけることがあれば、世界と戦える機会でもあるので、ひとつひとつの機会を大事にして、経験を積むだけでなく、現状の段階でできること、やるべきことをしっかりやって戦っていきたいです。
(村山謙太・紘太兄弟ら、同世代にはすでに世界で戦っている選手もいるが?)自分より強い選手がたくさん同じ世代にいて、他で活躍しているのを見れば自分も同じ舞台で戦いたいと思いますし、逆に戦えていない自分の現状をふがいないなというのを常々感じていたところではありました。そういう選手に勝ちたいと思ってずっとやってきて、同じステージに立てそうなところまできているので、さらに彼らを追いつき追い越して、その先に進めるように、また彼らと今後も切磋琢磨(せっさたくま)して日本のレベルを上げて行きたいと思っています。
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