東京新聞杯はニューイヤーS組から狙え! 前走クラスと年齢の関係に注目

JRA-VANデータラボ

枠番・脚質別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 枠番別では3、4枠が好成績で、特に3枠は6連対を記録。3連対以上はほかに2枠のみ、馬券圏内5頭以上はほかに1枠のみで、全体的には内寄りの枠を引いた馬が優勢だ。馬番で見ると、7番以内が計【8.6.6.48】で複勝率29.4%、複勝回収率121%。8番から外は【2.4.4.7】同11.5%、76%と大きな開きが出ている。

 また、脚質は「後方」から優勝したのは10年前の1番人気・スズカフェニックス1頭のみ。単複の回収率から見ても、前々で運べる馬を狙っていきたい。ただ、「中団」「後方」も複勝率こそ低くても好走馬数自体は多いだけに、まったく無視するのは危険。他のデータから良い馬がいれば、あまり脚質を気にしすぎるのも良くないだろう。

前走クラス別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

前走クラス・年齢別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走クラス別では1600万からG1まで好走馬が出ているが、出走馬の多いオープン特別とG3からは勝ち馬が計3頭しか出ておらず、勝率もそれぞれ4.2%と1.9%止まりだ。また、表6にあるように、前走クラス別の好走馬は年齢によって大きな偏りがある。7歳以上で好走したのは前走G3のみ。6歳はG3〜G2の19頭がすべて馬券圏外、さらに5歳はG2以上からの連対馬が不在だ。4歳の1600万はサンプル不足の感もあるものの、その他はある程度の頭数が出走して馬券圏内なし、あるいは連対なしという結果に終わっているだけに、軽視はできない傾向だ。

前走レース別成績(好走馬輩出レース)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表7は前走レース別の成績である。表5で記したようにオープン特別やG3からの出走馬が多かったが、オープン特別組の中心はニューイヤーS、そしてG3組の中心は京都金杯と、ともにマイル戦である。この両者は好走確率に差があり、ニューイヤーS組は複勝率35.0%、単複の回収率も100%を突破。対して京都金杯組は複勝率16.7%で、優勝馬1頭が07年の1番人気・スズカフェニックス(単勝280円)だったため、単勝回収率は7%と低い値が出ている。その他の好走馬は分散傾向で、本年登録馬の前走で好走馬を出しているのはマイルCSと元町Sのみである(背景白)。

 なお3着以内好走馬のうち、もっとも間隔が開いていたのは、中13週だった14年の優勝馬・ホエールキャプチャ(エリザベス女王杯以来)。好走馬の前走最長距離も、そのエリザベス女王杯の2200mとなっている。

結論

 3年連続で1〜2番人気が揃って連対を外すなど、波乱傾向にある東京新聞杯。5番人気や単勝10〜20倍あたりを中心に、2桁人気まで幅広く好走馬が出ている。年齢は5歳優勢だが、年齢によって前走クラス別の成績に偏りがあり、その5歳ならG2以上だった馬は連対なしなどとなる。過去に出走馬が多い中では、同じマイル重賞の京都金杯組よりは、オープン特別のニューイヤーS組のほうが好成績だ。

 荒れ模様のレースのため穴っぽい馬から挙げれば、まず昨年の3着馬・マイネルアウラート。前走別で好成績のニューイヤーS(表7)を制しており、6歳のオープン特別組は好走可能(表6)。その後1年間オープン特別かG3ばかりに出走しているが、昨年の本競走3着で「東京芝1600m重賞」好走となり、表2からも問題はない。一方の京都金杯組では、配当妙味も含め9着馬のブラックムーン。好走の多い5歳馬で、前走G3なら問題なし(表3、表6)。4走前に1600万を制し、こちらは表2を「過去1年に1600万かG1出走」でクリアする。京都金杯組がニューイヤーSとの比較でやや見劣ることが気にならなければ(表7)、本馬を上位に取っても良さそうだ。いずれも、単勝5番人気あたりか10倍台になれば(表1、同本文)、より強く推せる存在になる。

 さらに人気薄が予想される中では、6歳でオープン特別組のタガノブルグ。14年に同コース・NHKマイルC2着の実績があり表2はクリア。昨年の本競走こそ12着に敗退したが、その後は左回りで4、3、3、4着だけに、前走阪神のタンザナイトS11着には目をつむって狙う手もあるだろう。その他では、1番人気必至だがエアスピネルも大きな減点材料まではなく、軽視禁物。また、4歳の1600万組【0.0.0.2】をどう見るかにもよるが、今年のメンバーでは数少ない好走馬輩出レース・元町Sを勝ち上がったロイカバードも候補の1頭だ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント