波乱の連続! 穴党注目のフェアリーS データで解く高配使者の条件

JRA-VANデータラボ

結論

 毎年のように波乱となるフェアリーS。上位人気の成績はさほど悪くないが、中位人気が今ひとつで、10〜11番人気馬の好走が多い。馬体重は440〜450キロ台が中心、枠は外枠不振だが、500万〜G2組にかぎると3〜6枠は苦しい。また、新馬・未勝利組でも通用する一方、500万組は前走や今回の1、2番人気馬、そして前走連対馬は好走しても3着止まりに終わっている。また、キャリア2戦馬は前走クラスを問わず不振だ。

 今年は28頭が特別登録を行ったこの一戦。抽選対象になる馬も多そうな上、さらに変則開催の影響もあって、本稿執筆時には出走馬がはっきりしないため、以下には出走しない馬も含まれる可能性がある点はご了承いただきたい。

 まず、今年は出走すれば上位人気が予想される各馬、アエロリット、キャスパリーグ、コーラルプリンセス、シンボリバーグが前走500万条件の連対馬で、コーラルプリンセス以外は前走2番人気以内。表9にあったように、前走G2〜500万組で1〜2番人気だった馬や連対してきた馬は、ここでは3着以下に敗退しているため、今年も波乱の決着となる可能性は十分にある。

 また、今年の前走新馬組は芝1600m優勝馬が不在(表6)。阪神JF組も下位人気で大敗し、今回も人気薄が予想され、過去の好走馬とは異なる(表7)。そのため狙いは、未勝利戦を勝ち上がってきた馬か、500万条件を3番人気以下で3着以下に敗退した馬、さらにキャリア3戦以上の馬になる(表6、10)。中では、赤松賞9番人気6着のパフォーム、葉牡丹賞6番人気11着のアピールバイオが、前走440〜450キロ台で出走しており、今回も大きな変動がなければ表4で好走馬が多かったゾーンに入る。パフォームは3走前に今回と同コースで未勝利勝ち、そしてアピールバイオは前々走・赤松賞で上位とはクビ+クビ差の3着と、データを抜きにしても穴っぽさはある馬だ。その他では、未勝利勝ちでキャリア4戦のミッシングリンク、そして前走・赤松賞こそ11着でもこのコースは2、1着のアマノガワあたり。ほかに枠や人気順など直前に判断したい材料もあるが、荒れるレースだけに、そのあたりを問わずこれらの馬が出走してくれば穴候補としてぜひ狙いたい。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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