【新日本プロレス】鈴木軍が襲来! みのるがオカダを失神KO 失意の棚橋がNEVER6人タッグ王座を獲得

高木裕美

本隊トリオがLIJ軍からベルト奪取

棚橋率いる本隊トリオがLIJ軍からNEVER6人タッグ王座を奪取 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 メインイベントのNEVER6人タッグ選手権試合では、前日に新王者となったばかりのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)のSANADA、EVIL、BUSHI組がわずか1日天下で王座転落。棚橋弘至、中西学、田口隆祐組が新王者組に輝いた。

「一つの時代が終わった」――前日、LIJのボス・内藤哲也にそう切り捨てられたはずのエースが、ベルトという栄光を再びつかみ取った。棚橋は前日、7年ぶりにメインイベントの座から離れたセミファイナルの舞台で、かつては自分を追いかける存在であった後輩の内藤に完敗。内藤は棚橋を「終わった人間」扱いし、「早くオレのところまで戻って来いよ」と、屈辱的な言葉を浴びせかけた。

中西が野人ファイトで大暴れ

中西は野人ファイトでBUSHIを粉砕 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 だが、新テーマ曲『GO ACE』に思いを込めたエース復権を目指す棚橋は、中西のパワー、田口の尻を武器に、連係で勝る王者組に肉薄。たった1人で3人を次々とホイップし、張り手を見舞うと、前日のダメージの残るヒザを引きずりながらも、EVILにセンセットフリップ。場内も「GO ACE」コールで棚橋を盛り立てる。
 10分過ぎ、田口がSANADAにヒップアタックを見舞うと、棚橋もスリングブレイドを繰り出し、場外のEVILにハイフライフローで飛び込んでいく。すかさず中西が孤立したBUSHIをアルゼンチンバックブリーカーからヘラクレスカッターで仕留めた。

 09年5月のIWGPヘビー級王座初戴冠以来、実に約7年半ぶりにタイトルを獲得した中西が「1、2、3、ホーッ!」で大会を締めると、棚橋はリングサイドに詰め掛けたファンと1人1人タッチ&抱擁。メインを勝利で締めた、かつてのエース時代には当たり前だった光景が再び蘇り、一度は沈んだはずの太陽が、今、まばゆい輝きを取り戻した。

復活エルガンが内藤からピンフォール

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 前日のセミファイナルでIWGPインターコンチネンタル王座防衛に成功した内藤哲也が、前王者マイケル・エルガンにピンフォール負け。また、前日にKUSHIDAを破り、IWGPジュニアヘビー級王座を初戴冠した高橋ヒロムの前にも、宿敵ドラゴン・リーが現れた。

 内藤とエルガンは昨年9.25神戸で同王座をかけて対戦。内藤が王座を奪取すると、10.10東京・両国国技館でリマッチの機運が高まりながらも、エルガンが内藤のドロップキックで眼窩底骨折の重傷を負い長期欠場。だが、前日のドームの第0試合で行われた「ニュージャパンランボー」で見事優勝を飾り、完全復活をアピールしたエルガンは、試合後の内藤に挑戦を直訴。だが、内藤は挑戦表明をはぐらかし、返答を避けていた。

宿敵ドラゴン・リーがヒロムを襲撃

復活エルガンが内藤からピンフォール。宿敵ドラゴン・リーがヒロムを襲撃 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 序盤から闘志満々のエルガンに対し、内藤は古傷の目を容赦なく攻撃。だが、エルガンは串刺しラリアット2連発を見舞うと、スイング式DDTをこらえ、そのままファルコンアロー。さらにコーナーポストめがけてジャーマンスープレックス、ぶっこ抜き式の雪崩式のブレーンバスター。内藤はこの窮地に反則の急所蹴りを見舞うが、そこに突然現れたマスクマン、ドラゴン・リーがLIJを急襲。息を吹き返したエルガンが、バーニングハンマーで内藤を粉砕した。
 さらにドラゴン・リーはヒロムにブレーンバスター・ボムをお見舞い。ドラゴン・リーがヒロムのIWGPジュニア、エルガンが内藤のICベルトを奪って高々と掲げ、2人そろって王座挑戦をアピールした。

ノートンにヒロ斉藤…TEAM2000が復活

ノートン、ヒロ斉藤の参戦でTEAM2000が復活 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 2000年に蝶野正洋によって結成され、新日本マットを席巻した伝説のヒールユニット「TEAM2000」が“復活”した。
 第4試合では、かつてのTEAM2000のメンバーであった“超竜”スコット・ノートン、ヒロ斉藤、天山広吉、小島聡にチーズバーガーを加えたタッグを結成。ケニー・オメガ率いるバレットクラブと10人タッグマッチで対戦した。

 前日はオカダと45分を超える死闘を繰り広げたオメガは、さすがに疲労の色をにじませながらも、元IWGPヘビー級王者ノートンに握手を求めると、ノートンはアームレスリングで鍛えた超絶な握力で握りつぶす。その後もチーズバーガーの奮闘もあり、試合のペースを握ったTEAM2000は、BONE SOLDIERを標的に定めると、天山&小島が天コジカッター。チーズバーガー、ヒロのセントーンから小島がラリアットで完勝。前日の「ニュージャパンランボー」に続く、レジェンドレスラーたちの活躍に、観客も大きな拍手を贈った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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