中山金杯は「荒れない」ハンデ重賞? 新年好スタートを切る馬をデータ分析

JRA-VANデータラボ

枠番別成績

【表5】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 枠番別の成績では、外の7〜8枠がひと息に終わっている。この7〜8枠の好走馬2頭は08年の1、2着馬・アドマイヤフジとエアシェイディで、09年以降は8年連続で6枠以内での決着だ。

 ただ、前走が重賞以外だった馬は1〜4枠で【0.0.0.23】と結果が出ていない。08年には1番人気のサイレントプライドが3枠で6着、15年に2番人気マイネルミラノが1枠で15着に敗退するなど、5番人気以内に推された6頭はすべて掲示板外に敗退した。前走重賞組は問題ないだけに偶然かもしれないが、気になる方は枠順確定後のチェック項目として欲しい。

前走クラス・レース別成績

【表6】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 前走レース別成績は、12月の古馬重賞に条件や名称変更がありわかりづらいが、阪神のG3「鳴尾記念・朝日チャレンジC・チャレンジC」と、中京の「中日新聞杯・金鯱賞」はまとめて掲載した。この、現チャレンジCと金鯱賞組が好走馬の中心だ。ほかに出走馬の多い福島記念、そしてディセンバーSはともに連対率ひと桁。出走数が多いため、好走確率が低くても完全に消しとは言えないが、相性の悪いステップとは言えるだろう。

前走チャレンジC(朝日CC、鳴尾記念)からの好走馬

【表7】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今回は金鯱賞組の登録がなかったため、チャレンジC(鳴尾記念)組の7頭を見ると、まず全馬6歳以上。また、ハンデは54〜55キロか57キロ以上で、56キロ台の馬は【0.0.0.4】に終わっている。そして前走での着順は全馬6着以内。好走した7頭はすべて、この「6着以内」かつ「最先着馬」だった。6着以内馬がいなかった11年は、3番人気アクシオン(鳴尾記念10着)が12着、同レース最先着(7着)のセイクリッドバレーは11着に敗退した。また、昨年のスピリッツミノルはチャレンジC6着でも最先着ではなく、ここでは7着に終わった。

その他重賞からの好走馬

【表8】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表8は、上記以外の重賞からの好走馬10頭である。年齢やハンデ、前走の着順はバラバラで掴みどころに欠けるが、この組は9番枠より外を引くと好走しても3着止まり。6番より内を引いた馬は、好走した6頭中5頭が連対まで届いている。連対候補なら6番以内、あるいは8番以内としたい。また、実績面では10頭中8頭に、芝2000mか中山芝の重賞で連対があった。

オープン特別・条件戦からの好走馬

【表9】 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表9は、オープン特別と条件戦からの好走馬6頭。こちらは表5でも触れたように、6頭すべてが5〜8枠で9番より外。また、前走条件戦やオープン特別というと、キャリアの浅い4歳馬が好走していそうにも思えるが、実際の好走馬はすべて5歳以上である。また、全馬5番人気以内に推されており、特に条件戦組の2頭は3、2番人気。また、前走が重賞以外とはいえ、芝2000mや中山芝で一定の実績がなければ好走は不可能だ。

 以上、中山金杯の傾向をまとめてみた。本稿執筆時点ではハンデは未発表だが、今回は金鯱賞組の登録がなく、チャレンジCも2頭のみ。表7本文で触れたように、この組で馬券に絡んでいるのは最先着馬。4歳の年齢はやや気になるが、優勝馬のマイネルハニーが該当する。また、ディセンバーSを制したツクバアズマオーは明け5歳、かつ上位人気必至、そして中山や芝2000m重賞で3着の実績を持ち、表9の各条件をクリア。金鯱賞組不在のため、例年以上にディセンバーS組にもチャンスがあるとみれば、こちらを上位に取る手もあるだろう。

 文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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