3冠達成“大学最強”を証明した筑波大 打倒Bリーグ掲げ、いざオールジャパンへ

平野貴也

筑波大がタイトルを総なめ

筑波大が危なげない勝ちっぷりでインカレを制し、大学バスケ3冠を達成 【平野貴也】

 大学最強チームがBリーグに挑戦状をたたきつけた。大学バスケットボールの日本一決定戦「第68回全日本大学バスケットボール選手権大会」(通称インカレ)は27日に代々木第二体育館で最終日を迎え、男子は筑波大が66−51で東海大を破って3年連続4回目の優勝を飾った。筑波大は、春の関東大学バスケットボール選手権、秋の関東大学リーグも制覇しており、3冠を達成。成し得るタイトルをすべて獲得し、大学最強を証明した。

 学生バスケットのシーズンは終わるが、インカレ上位8チームは年明けに行われる全日本選手権(2017年1月2〜9日、通称オールジャパン)にも出場する。エースの馬場雄大(3年・富山第一高出身)は、コート上で受けたインタビューで「このチームでBリーグを倒すことが目標」と、次の標的がプロチームであることを宣言した。

 ユニバーシアード代表候補選手をズラリとそろえる筑波大は、学生チームの中でも選手層が厚く、戦力は充実している。準決勝までの全試合で80点以上の得点をマークして圧勝。決勝戦では、組織的なディフェンスに定評のある東海大を相手に、最後は控え選手を次々に投入する余裕を持って勝利を収めた。東海大が主力ガードの伊藤達哉(4年・洛南高出身)を負傷で欠いたとはいえ、危なげのない勝ちっぷりだった。

オールジャパンはプロ入りの登竜門

 オールジャパンは、学生がプロと対戦できる数少ない機会だ。学生にとっては、自分の価値を示す大会となる。過去にも、この大会で活躍することによって、幾人もの選手がプロ入りの扉を開いてきた。

 中でも19〜23歳の現役大学生は、4年後に行われる2020年東京五輪の代表入りを目指せる世代だ。現日本代表を突き上げる役割を期待される。馬場は、昨年度から日本代表候補に選出されている注目のプレーヤーだ。195センチの長身でありながらスピードと跳躍力に優れ、ガードとフォワードのどちらもこなせる。決勝戦ではゲーム最多の12リバウンド、最多タイのブロックショット3本を記録。最終第4ピリオドにスティールで相手ボールを奪うと、自らドリブルで運んで両手でも片手でも豪快なダンクシュートをたたき込み、高い運動能力を示した。

東京五輪での活躍も期待される馬場。オールジャパンでは優勝を目標に掲げる 【平野貴也】

 大学卒業後の進路については米国での挑戦を考えているという馬場は「今年はチャンスかなと思っている。今年のチームは、スタートした時にオールジャパンでベスト8とかではなくて、優勝を目標にしてきた。ルーズボール争いなどで若さを存分に出したい。リバウンドは、外国籍選手が相手でも積極的にチャレンジしたい」と次の戦いにかける意気込みを語った。

 筑波大では、馬場以外にも注目選手がいる。インカレで得点王とMVPに輝いた杉浦佑成(3年・福岡大大濠高出身)は、その筆頭だ。ゴール下で戦える強さと、3ポイントなど外からのシュート力を兼ね備える。同期の馬場に刺激を受けている部分もあり「本当にA代表の合宿に呼ばれたい。目立たないと呼ばれない。オールジャパンでプロを相手にどこまでできるのか。アピールには、もってこいの場。プロに当たり負けない体やシュート力を見せたい。日本代表候補に学生から1人しか入れないのでは情けない。馬場の後に続かないといけない」とアピールを誓った。

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著者プロフィール

1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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