【UFC】タイトル再挑戦への道を突き進む堀口

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ゲガール・ムサシがトランプ化で毒舌全開!

UFC日本大会の再戦となるムサシvs.ホール。毒舌人間に変ぼうしたムサシはリベンジなるか 【(c)Zuffa.LLC/(c)gettyimages】

 この大会のメインイベントで行われるのはゲガール・ムサシ(オランダ)対ユライア・ホール(米国)だ。この試合は昨年のUFCファイトナイト・ジャパンで行われた試合の再戦となる。日本では第2ラウンドにホールのスピンキックがムサシの顔面を直撃、ホールが衝撃の逆転ノックアウト勝ちを収めている。

 ムサシは10月の「UFC204」で強敵ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)を一蹴したが、その試合後記者会見を契機に、これまでと別人のような毒舌人間に変ぼうしている。ムサシは現ミドル級チャンピオンのマイケル・ビスピンについて「倒すことはごく簡単」や「一晩中ジャブを当て続けてやる」などと挑発。コナー・マクレガーのことを“ショウガ頭の脳タリン野郎”と罵倒したり、Twitterでニック・ディアスに中指を立てた自らの写真を送りつけたりするから、たまらない。ムサシの放言に耳を傾けてみよう。

「USADA時代になって、オレは圧勝を続けている(注:薬物検査で失格する選手への当てこすりだ)。ユライア・ホールには2ラウンド目にやられてしまったが、1ラウンド目は圧倒していた。だから、オレはもうずっと完勝し続けているような気がしている。オレがベルトを取るのは時間の問題だろう」

「ユライア・ホールが自分に勝ったことはあくまでもまぐれだ。MMAを知っている人なら誰でも分かること。まあ、雪辱はしたいと思っている。次の試合はホール戦のようなイージーファイトをくれ。そうでなければ、トップ4ファイターとの意味のある試合をやらせろ」

「オレは試合ではいつもフェイバリット(下馬評で有利と見られる側の選手)なんだぞ。それなのにこの公式ランキングはいったい何なんだ? 人気投票か何かなのか。それならそれで、キャットウオークでもしてやろうか。あるいは誰かにペットボトルでも投げつければ、やっと注目してもらえるのか」

「モハメド・アリは確かなヒーローだった。すごいボクサーだっただけでなく、大きなことを成しとげた。それに比べ、メイウェザーとマクレガーはどうだ? “自分は金持ちだ”と吹聴(ふいちょう)しているだけだというのに、みんなヤツらのことを大好きだ。ファンはアホじゃないのか。本物のファイターと偽物の違いも分かっていないのか。高価な品物をInstagramで見るのが好きなだけなんじゃないのか?」

無表情で無感情だったムサシに何があったのか?

トランプ氏に触発された(?)ムサシは毒舌全開 【(c)Zuffa.LLC/(c)gettyimages】

 あの無表情で無感情だったムサシが、いったいなぜこんな毒舌人間になってしまったのだろうか。英メディアの取材に答えて、ムサシは“ムサシ2.0”の誕生秘話を次のように明かしている。

「以前のオレは、“正しい”答えをしようと努力していた。そうすれば喜んでもらえると思ってね。でも今は、他人に好かれようが嫌われようが、自分の考えを答えるようにしている。政治的に正しいことを言ってみても、どうなるわけでもないことが分かったからだ。ドナルド・トランプはなぜこんなに人気が出たんだい? 最悪の大統領候補だったけど、みんなは彼のキャラを気に入ったじゃないか。だからオレもやってみているのさ」

“トランプパワー”の追い風も受けて、ムサシは果たして有言実行できるのか、ムサシ2.0をとくと見届けよう!

(文 高橋テツヤ)

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