U−19代表、三好康児が示した成長の証 プロ1年目の挫折で手にした客観的な視点
AFC U−19選手権の優勝に貢献
バーレーンで三好(前列左から3番目)は1年前から成長した姿を見せ優勝に貢献した 【写真は共同】
勝てばU−20W杯の出場権を獲得できるタジキスタン戦では、1−0で迎えた19分にMF市丸瑞希の縦パスに抜け出すと、「相手がクロスを警戒して、中央を締めてくる分、ファーが空くと思った」と、ファーサイドでフリーになったMF堂安律へ正確なマイナスのクロスを送り込み、試合を決定付ける2点目をアシストした。
サウジアラビアとの決勝では、「U−16(12年のAFC U−16選手権)のときも決勝を経験した。決勝は違った戦いになるので、全員で気を引き締めたい」と、自身の経験をチームに還元し、落ち着いたプレーを見せた。しかし、60分にドリブルで仕掛けたところで相手の危険なタックルに遭い、MF遠藤渓太と交代を余儀なくされた。
「僕としては決勝で何もできなかったので悔しいです。負傷交代ということで、チームに迷惑をかけてしまった」
PK戦の末に初のアジアチャンピオンの座をつかみ取ったが、試合後の彼はしきりに反省の弁を述べていた。だが、1年前の自分からは明らかに大きな成長を遂げ、立場は変わった。U−20W杯の出場権と、アジア王者の座をつかみ取り、彼はサッカー選手としても、人間としても成長したことを、バーレーンの地で示したことは間違いなかった。
三好「これからがスタート」
彼が手に入れた客観的な視点は、自らを律し、次なる目標設定、それを達成するために何をすべきかの道筋をはっきりと映し出していた。
最後に逞しくなった彼に、彼の客観的な視点をもう一度確認したくなった。「自分の性格を分析すると、考え込むタイプか、それとも開き直れるタイプのどっちだと思いますか?」と聞いてみた。すると、言葉に詰まることなく、こう答えが返ってきた。
「僕は半々です。考え込むことはあるけれど、ある程度は気楽に考えられていると思います。うまくいかないときほど、もう下がないと考える。去年もそうでしたが、自分が試合に絡めなくなったり、この代表にも入れなくなったりしたときに、最後は『もうやるしかないぞ』と素直に思えた。もうユースではなく、プロになった訳ですし、心は一段大人になったと思います」