2強に割って入るのはこの馬だ! 菊花賞注目5頭の陣営直撃レポート

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レッドエルディスト(笹田和秀調教師)『笹田厩舎2頭で挑む菊花賞』

レッドエルディストは成長力が魅力だ 【netkeiba.com】

 日本ダービーに続き2頭出しとなる笹田厩舎。神戸新聞杯では、レッドエルディストとエアスピネルの位置取りが、春とは前後逆になっていた。

「レッドエルディストは堅実に最後は脚を使う馬で、前走でいつもより前にポジションが取れたことは進化だと思います」

 青葉賞では上がり最速をマークし、2着。日本ダービーへの切符を手にした。

「ダービーは思ったよりも着順(9着)が悪かったですが、この馬なりに上がりの時計は出しています。ひと夏を越して、気性面でも馬体面でも成長が見られますが、まだまだ成長途上。まだ緩さのあるレッドエルディストにとって、3〜4コーナーに下り坂があるこのコースはいいでしょう」

 下り坂で勢いをつけられると、持ち味の末脚はさらに磨きがかかることだろう。

「坂路での最終追い切りは、この馬なりに時計も出しているし、ラスト1Fは12秒台でまとめているように、動き自体は良かったと思います」

 今年1月にデビューした馬の成長力に期待したい。

カフジプリンス(矢作芳人調教師)『待ち焦がれた3000mの舞台』

カフジプリンスにとって淀3000mは待ち望んだ舞台だ(撮影:下野雄規) 【netkeiba.com】

「菊花賞のためにダービーは我慢したんです。俺にしては珍しく(笑)」

 矢作芳人調教師は、終始期待に満ちた笑顔でそう話した。現在リーディングを独走する矢作厩舎。矢作師の信念から出走回数が多いことでも知られているが、カフジプリンスは例外だった。

「長距離のスペシャリストだと思っていて、早い段階から『菊花賞はもしかしたら勝負になるかも』と思っていました。春は無理をすれば京都新聞杯からダービーを目指せたかもしれませんが、そうしたら秋にこんな使い方はできませんから」

 4月に新緑賞(東京・芝2300m、3歳500万下)を勝った後、京都新聞杯へは向かわず休養をはさみ、札幌で古馬相手に阿寒湖特別(7/30、芝2600m、3歳以上1000万下)で圧勝した。その後、9月4日の丹頂S(OP)6着、9月25日の神戸新聞杯4着。敗れはしたものの、4コーナーでスムーズさを欠くなど敗因がハッキリしている。

「夏から3戦していますが、前走後も順調で、最終追い切りは文句なしでニコニコするようなものでした。夏の急上昇の上がり馬のイメージではなく、1戦毎の少しずつの上積みですが、春に比べて背腰がパンとしてきました。2強はすごく強いと思うし、2400mならとてもかなわないと思います。でも、3000mなら少しは差が詰まるんじゃないかなという期待でワクワクしています」

 待ち焦がれた3000mの舞台に挑む。

ジュンヴァルカン(友道康夫調教師)『ヴィブロスのGI制覇に続け』

友道厩舎はヴィブロスに続く2週連続G1勝利をジュンヴァルカンで狙う(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】

 古馬に混じり6月に三田特別(阪神・芝2200m、3歳以上1000万下ハンデ)を勝利したジュンヴァルカン。予定していた神戸新聞杯回避の経緯を友道康夫調教師はこう話す。

「軽い外傷で、出走させようと思えばできましたが、菊花賞を使いたかったので回避しました。両後脚が“クモ擦れ”といって、球節の裏を地面でこすって、靴擦れのようになったんです」

 菊花賞へ向かうにあたって、過去の経験からこんな話をしたことがあった。

「長距離の分、馬体への負担も大きい。余裕を持って挑むべきレース」

 今回も、そういった判断があってのことだろう。

「最終追い切りはクモ擦れのこともあったので、ウッドチップよりあたりの柔らかいポリトラックで行いました。調教は休むことなく先週までしっかりやっているので、併せ馬で息を整えました」

 担当の平間淳一調教助手もこう話す。

「久しぶりのレースなので、追い出してからの反応も見たくて、馬の真後ろにつけてから並びかけました。反応が良くて、抜け出しそうなくらいでした」

 ぶっつけ本番になったが、状態は整っている。

「折り合いがつきますし、メンバーが強くなっても相手なりに走ってくれます。デビューの時から中長距離を見据えて、新馬戦は2000mを選びました。最後の一冠、なんとか間に合いました。先週のヴィブロスに続いて、がんばってほしいですね」

 マカヒキで日本ダービーを制覇し、総賞金トップに立つ厩舎の勢いも加わる。

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