2強に割って入るのはこの馬だ! 菊花賞注目5頭の陣営直撃レポート
サトノダイヤモンド(左)、ディーマジェスティの2強を崩すのは誰だ!?(撮影:下野雄規) 【netkeiba.com】
ミッキーロケット(音無秀孝調教師)『神戸新聞杯2着からの逆襲』
夏の北海道で大きく成長したミッキーロケット (撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】
「北海道で思っている通り、実力があることが分かりました」と、音無秀孝調教師は胸を張る。
前走から手綱を取る和田竜二騎手は、長所と課題をこう挙げた。
「神戸新聞杯は4コーナーでごちゃつきましたが、あそこまで勝ち馬に迫れました。馬自身が成長していると思うし、競馬自体は扱いやすいと思いました。ただ、ゲートに課題のある馬です。ゲート練習を3回やって、最初の頃よりマシかなという雰囲気。(ゲートの中で)前に行ったり後ろに行ったりするので、(後入れの)偶数枠がいいとかよりもタイミングですかね。我慢してくれたら、いいな」
音無師は菊花賞のコースをこう分析する。
「山が2回あって、特に1周目の3コーナーの下りから、1コーナーまでのプロセスが大切になるでしょう。僕は騎手時代にこのコースの経験はあまりないけど、見ていて、ゆっくり上って、ゆっくり下るのが1周目だな、と。ここで引っ掛からず、上手く折り合えた馬が勝つと思います。ミッキーロケットは折り合いには苦労するどころか、ついていけない時もあります」
和田騎手も折り合いに太鼓判を押す。
「折り合いは難しい感じはしないし、距離も持ちそうな雰囲気があります。成長してきて、キレ味が出てきているので、京都の瞬発力勝負になってもいいんじゃないでしょうか」
スタートさえクリアすれば、楽しみが広がりそうだ。
エアスピネル(笹田和秀調教師)『春よりも折り合えるように』
エアスピネルは母と同じように秋のGIで初戴冠を狙う(撮影:大恵陽子) 【netkeiba.com】
「春はレースの前半で行きたがるところがありましたが、神戸新聞杯ではパドックでも落ち着いて、レースもスタートから折り合いがつき、いい予行演習ができました。ただ、重心が高く、フワフワしているように見えたので、前走後は重心を下げて推進力がより出せるような調教をしてきました。1週前も最終追い切りも、重心が下がっていいフォームでした。距離に対応できる体の使い方をしていますね」
母エアメサイアは桜花賞4着、オークス2着、秋華賞1着。春の悔しさを秋に晴らした。調教助手時代、エアメサイアに携わった笹田師は親子の共通点をこう話す。
「エアメサイアはスイッチが入ると、良くも悪くも爆発しそうな感じがありました。悪い方に爆発すると非行少女みたいになっちゃうけど、良い方に向くとレースですごい力を発揮してくれそうな。エアスピネルもそういう感じを引き継いでいますね。良い方に出るように調整していますし、今のところ良い方に出そうです」
坂路での最終追い切りはモニターで見届けた。
「乗り役が乗ったら、このくらい(速いタイムが)出るね。うんうん」
納得の表情で頷いた。母と同じく、秋に初タイトルなるか。