【ノア】小峠篤司、金丸を退け再び二冠を目指す「自分のプロレスを貫き、磨くだけ」

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邪道&外道戦は初体験の雰囲気だった

――さて本来、“GHC二冠王者”のお話を伺おうと思っていましたが、先日タッグのベルトを落とすことになってしまいました……。邪道&外道選手とのタイトルマッチを振り返って頂きたいのですが?

 ファンの方に対して言えるのは、もう一度二冠になれるようにリベンジします。試合に関しては、そうですね、素直に向こうが上手だったと。未知の領域で、初体験でした。

――初体験?

 あの雰囲気がです。何なんですかね? ノアのリングなのに、何であんなにカリスマ的に、完全に向こうの空気にしちゃうのか? やっぱり、あそこまでの経験値とか、領域というか、そのあたりのレスラーが出せるものじゃないですよね。

――10.8後楽園ホール大会はメインでもノアvs.新日本のタッグマッチだったり、団体対抗戦の雰囲気もあり、観客も超満員の1500人以上が集まりました。そういうものがいつもと違う雰囲気を作り出していた?

 対抗戦の経験や、よその団体の選手とやりあうのは全然あるのですが……何ですかね? あれは特殊じゃないですか? 入場してきてゴングが鳴ったら、お客さんが向こうのペースになっているんですよ。しかもアウェーのリングで。あれは何なんすかね? 圧倒されたわけでもないし、正直、(試合の組み立ては)上手だと思いますけど、技や技術、力やスピードは何も劣っていると感じなかった。ただ気がつくと、向こうの雰囲気になっていた。こちらのペースになっていると思っていたんですけど、会場が邪道&外道の雰囲気になっていた。大会を通して、みんなが邪道&外道の戴冠を望んでいるような雰囲気が悔しかったですね。

――そういう意味で『レェェェヴェルの違い』を見せ付けられた?

 何のレベルの違いだ!って思うんですけどね。まあ開き直っているわけじゃないですけど、いい意味で勉強になりました。

――横浜文体大会では“ケンオーハラ(拳王&大原組)”がベルトに挑戦するわけですが、小峠選手としてはやはり邪道&外道組とベルトを懸けたリベンジマッチをしたい?

 そりゃあもう1回、邪道&外道とやりたいですよ。あれは悔しいです。自分は我慢するプロレスで、会場の雰囲気や状況をひきつけることを意識するんですけど、あれだけ見事に持っていかれると、自分の目指しているポイントで負けたというか……。普段は悔しがらないタイプなんですけど、やっぱりあれは悔しいです。

――原田選手とのタッグであの域まで行きたい?

 目指したいし越えたい相手。いろいろなことを思える相手です。

「小峠がチャンピオンなら俺もできる」と思わせたい

「僕のプロレスで防衛したいと思います。やったるねん!」と意気込む 【スポーツナビ】

――今はタッグの話もありましたが、シングルプレーヤーとして目指すところは? 丸藤選手や杉浦選手のように体を大きくしてヘビーに上げるのは?

 それはいつも言われますね(笑)。説教されますよ。でも大きくなりずらい体質なので。

 まあ伸び伸びやろうと思います。いつも思いつめちゃうんですよ。前回チャンピオンになった時も、「シングルのチャンピオンはこうあるべき」と思って、ノアの象徴だみたいな。でもそんなことないなと思えてきたんですよ、最近。
「俺が引っ張っていく」とか、「俺に勝てるわけがないだろ」みたいなのがチャンピオンだと思っていたんですけど、逆に、自分みたいな奴がチャンピオンになれるんだから、もっとみんな来いと。「小峠になら勝てる」と思って、鈴木軍や、原田、ケンオーハラ、石森さんだけでなく、それこそ清宮(海斗)とか、もっと若い練習生とか、ガンガン来たらええねんと思うんです。「小峠がチャンピオンなら、俺でもチャンピオンになれるだろ」と。それでいいと思うんですよ。これからプロレスを目指す子供が「小峠篤司がノアのチャンピオンになれるぐらいなら、俺でもできるんちゃうか?」と思うぐらいになってほしいです。

――それでは最後になりますが、横浜文体での金丸義信選手との試合に向けての意気込みをお願いします。

 金丸義信はむちゃくちゃ実力がある人だと自分も承知していますし、ファンの方も理解していると思うんです。でも僕は自分のプロレスを磨き、それがしっかり通用するということを、今回は防衛という形で証明したいと思います。やられている時間が長いので、しっかりせえと思われるかもしれないですけど、それが小峠のプロレスだと思って楽しんでもらいたい。しっかり、僕のプロレスで防衛したいと思います。やったるねん!

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)

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