Bリーグ大河チェアマンが語る開幕1カ月  「意識改革と代表の強化を目指す」

カワサキマサシ

開幕から約1カ月が経過したBリーグについて、大河チェアマンが今の思いを語った 【写真:カワサキマサシ】

 Bリーグの開幕から、1カ月が経った。バスケットボールがちまたの話題に上る機会はそれ以前と比較にならないほど、華々しい船出だった。開幕フィーバーはある意味、非日常のもので、少々落ち着いてきた感もある。これからは日常が流れるなかであの熱を持続し、さらに加熱させねばならない。

 そんな中、10月16日の大阪エヴェッサvs.シーホース三河に来場した大河正明チェアマンに、ここまでのBリーグの手応えと、目指すべき未来を問うた。

観客動員は最低でも1.5倍増を

──Bリーグの開幕から1カ月が過ぎました。この間に各地の会場に足を運ばれましたが、リーグが成長していくために、今後への課題や宿題も見えてきたのではないですか?

(配信する)映像の仕組みの技術的な問題であるとか、細かいことは置いておきますが、やはり大きな課題としては各クラブの経営者、スタッフ、それにBリーグの本体もそうですけれど、もっともっと高いレベルで入場者の獲得を目指していかないといけないと思います。

 最初から「この程度、去年より少し良ければいいや」ではなく、最低でも1.5倍、できれば2倍くらいに。そういうところにもっと大きな夢と高い志を持ち、(そこを)目指してやっていくようにしないといけないですね。

──現状では多少なりとも、意識が甘いクラブもあるということでしょうか?

 たとえば1部ですと会場は5000人の器(を必要とする)と言っていますが、「3000人くらい入れば、まあいいや」くらいの考えでいるクラブが、ないとは言えない。そうであると、リーグ全体が上にいくことを妨げることになる。そこをしっかり、もっと意識を高いところに持っていきたいです。

 企業チームから見ると、「青山学院(記念館)で試合をやって、2500人入った。これ、すごいよね」と思うのかもしれないけれど、それって僕らからすると最低レベルの話です。観客が4000人、5000人となって、「このアリーナじゃもう小さいぞ。早く1万人規模のアリーナが欲しい」と思われるような存在にしていかないといけないと思っています。

──リーグとしても、クラブの意識改革は積極的に促していくのですか?

 やっていきたいと思っています。リーグだけではなく、クラブも頑張っています。頑張っているんですけれど、目標をもっと高く持たないといけない。去年より観客が減ることは、たぶんないと思うんです。でもたとえば1割、2割増えて成功と言えるかというと、そうではない。もっともっと高い目標を持って、志を持った経営者の方と僕らが一生懸命に知恵を出しながら、汗をかいていく。それが肝要だと思っています。

開幕戦のLEDコートだけではない

──開幕戦は、宣伝効果という意味でも抜群でした。

 プロモーションを兼ねた開幕戦で、5年後、10年後のBリーグを振り返ったときに、常にあのシーンが出てくると思います。そういう意味でも力を入れてやってきました。これからもわれわれがリーグとして継続的に選手、クラブの売り出しをやりますし、クラブはクラブでお客さんを増やし、選手を売り出すことを一丸となってやってほしいです。

──開幕戦は刺激的でしたが、人はそれに慣れるものです。次に興味を引く仕掛けも必要だと思います。リーグとして二の矢、三の矢は用意していますか?

 LEDコートについて話題になりましたが、それだけということではないです。今後はオールスターゲームであるとか、最後のチャンピオンシップを決める試合であるとか、そういうところに向けて、いろいろなアイデアを出していきます。

──開幕から1カ月。このスタートの期間を、どう評価していますか?

 すごく良かったというレベルでもないし、ダメだったというレベルでもない。努力のしがいがあるレベルにいるのかな。ここからどう向かっていくかによって、1年目が「良かったね、成功したね」と言えるのか、「もっと努力すれば良かった」と言うのか。ここからの勝負だと思います。

──リーグの価値を高めていくために、観客を集めるために。各クラブ間の競争ももっと活発になってもらいたい?

 はい。それに競争するとともに、各クラブの良いところをお互いが盗むくらいであってほしいです。たとえば、三河さんはとても強いチームですが、試合の演出であるとか盛り上げ方は、圧倒的に大阪さんの方が上だと感じました。あれを三河の方々に見てもらう。それが市民の方々に、バスケットボールを観戦する楽しさを提供することになる。そういったことを、どう感じてくれるかだと思いますね。

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著者プロフィール

大阪府大阪市出身。1990年代から関西で出版社の編集部員と並行してフリーライターとして活動し、現在に至る。現在は関西のスポーツを中心に、取材・執筆活動を行う。

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