車いすマラソン洞ノ上、響いた体調不良 7位に悔しさにじむも、気持ちは東京へ
大きな不安を抱えてスタート
3大会連続入賞を果たしたものの目標のメダルには届かず、悔しさをにじませた洞ノ上 【写真は共同】
レース開始時の気温は31度。湿度は66%。この時期のリオにしては蒸し暑い気候だ。過酷なコンディションのもと、洞ノ上浩太(ヤフー)が1時間30分11秒で日本人最上位の7位入賞。パラリンピックはこれが3度目となる洞ノ上は、2008年北京大会5位、12年ロンドン大会6位に続く連続入賞も果たした。
「思った以上に暑かった。すごくタフだった」と洞ノ上が振り返るレースは、序盤からマルセル・フグ(スイス)とカート・ファーンリー(オーストラリア)の二人が飛び出す展開。フグは今大会の陸上トラック競技ですでに金メダル1個と銀メダル2個を獲得し、ファーンリーも銅メダルを手にしている強豪だ。
洞ノ上、副島正純(ソシオSOEJIMA)、山本浩之(Team Heart Space)の日本勢は3位集団でレースを進めた。
「レース最初のコーナーでマルソー(マルセル・フグ)、カートと一緒になれたが、付いて行き切れかった」と話す洞ノ上。実は万全なコンディションではなく、リオに入る直前に風邪をこじらせ、渡航前の最後の仕上げができなかったという。さらにリオに入ってからも発熱し、大きな不安の中でスタートラインに立っていた。
東京へ意欲「できることなら出たい」
万全で臨めなかった洞ノ上(左)。持ち味のスタミナを発揮することはできなかった。右は11位の副島 【写真は共同】
くたくたになりながら、悔しさをにじませる洞ノ上。レース中には軽い熱射病のような状態にもなり、押しつぶされそうな気持ちと終始戦っていたと話す。それでも何とか持ちこたえ迎えた終盤は、トップの二人が依然として後続に大差を付けて競り合う中、3位争いはゴール手前100メートルのスプリント勝負へ。必死に食らいついた洞ノ上は3位の選手から3秒遅れの7位でフィニッシュした。トップのフグとは3分55秒差だった。
レース後、4年後の2020年東京大会にはできることなら出たいと意欲を見せ、「自分のような年齢(42歳)でもパラリンピックで戦えるということを見せたい」と話していた。
なお、副島は11位、山本は12位、久保恒造(日立ソリューションズ)は18位だった。
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