「一番追い込んだチーム」でメダル獲得 シンクロ選手、井村HCコメント

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吉田「4年間の思いをぶつけて泳いだ」

フリールーティーンでの演技は95.4333点となった 【写真:ロイター/アフロ】

――先にデュエットがメダルを獲得していて、自分もメダルが欲しいと思った?

吉田 (2015年の)世界水泳と同様で、デュエットが先にメダルを取ってくれて、私たちも絶対に欲しいという気持ちがさらに大きくなりました。そのメダルを手にしたときには、今までつらいことの方が多かったし、練習もしんどかったけど、やはり先生に付いていって、しんどい練習を乗り越えてきたから、こういう結果が、うれしいことが待っているんだなと、すごく思いました。

――辞めなくてよかったと思った?

吉田 思いました(笑)。本当につらいことの方が多かったし、楽しいことなんてほとんどなかったけど、やはりメダルという大きなものを手にすることによって、いろいろなものを犠牲にしてでもこういうしんどい練習をしてきて良かったな、(井村)先生に付いていって良かったなと思います。

――しんどい練習の思い出は?

吉田 調整期間に入る直前にする「ハイプシック(ハイポ)」の練習が本当にしんどかったです。もう一生やりたくないですね。「ハイプシック」は、競泳をして、その後にルーティンが始まって、またビデオを見て、また競泳があって、ルーティンをやって、というのを、長いときは1時間半ぐらいのメニューを3日に1回ぐらいするんですけど、それが本当にもう……。休憩とかないので、とりあえず泳いだらルーティン、泳いだらルーティン、そして通し(の練習)、競泳、みたいな感じでした。

――あまりにしんどいとどうなる?

吉田 (水から)上がった瞬間にボーッとしたりとか、飛び込んでルーティンが始まるので競泳の後に歩かないといけないんですけど、それがふらついていたりとか。最後の一番(演技)が終わってのイージーのタイムも決められているので、そこをどう自分でリカバリーしていくかというのもありました。本当に初めてやった2014年のときは、やり方も分からないし、自分を守ってしまう部分もあったから、全力でそのメニューをこなせないときもありました。今はそのメニューがあったからこそ1回の通し(演技)が怖くなくなったり、1回ぐらいは簡単に通しをこなして、どう質を求めていくかができるようになりました。でも、最初はもう恐怖の練習でした。

――その練習が本番のどの部分に一番効果があった?

吉田 一番大きいのは、毎回(演技を)通すのに恐怖があって、苦しいししんどいし、でも今までそのハイポをやってきたから、1回の通しで、最後ダメになってしまうんじゃないかという気持ちはなくなりました。(通し練習が)しんどいと思っていたから、質を求めることができないときもあったんですけど、その練習をすることによって質を求めていけるようになりました。

――メダルが取れなくて当たり前だったところから始まった。大きな意識改革があったのでは?

吉田 やはり(井村)先生にチームを見てもらうようになってから、明確な目標ができるようになったし、世界水泳でメダルを取れたっていうことが私たちの自信にもなったので、五輪で絶対にメダルを取りたい、と。メダルというものが頭の中になかったんですけど、それが目に見えてきたことは、すごく大きな気持ちの変化かなと思います。

――世界水泳でメダルを取ってから、取り組み方が変わった?

吉田 それはあると思います。やはりメダルを手にすることによって実感が湧いて、五輪でも絶対にメダルが欲しいって。五輪になると他の国ももっとやってくるし、そういうことは分かっているのですが、それでもメダルが欲しいという気持ちは大きくなりました。

――初日のテクニカルでは、ウクライナとの差は予想よりも小さいと感じたが、選手自身はどう受け止めていたか?

吉田 実際ウクライナの演技はまったく見ていないので分からないんですけど、予選はテクニカルで負けていたので、もうちょっと離したかったです。あと、テクニカル自体は日本が得意としているものなので、やはりもうちょっと上の点数が欲しかったなと、実際思います。

――そこから1日でうまく気持ちが切り替えられた?

吉田 はい。もうラストの種目だったので、やるべきことは今までやってきたし、しんどい練習も乗り越えてきて、あとは先生と私たち自身を信じるだけでした。あと1回をもう死ぬ気で、メダルが絶対に欲しいという気持ちで、その4年間の思いをぶつけて泳いだので、気持ちを切り替えることはできました。

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