指揮官も説得、メッシが代表引退を撤回 新生アルゼンチンのスタイルは?
紆余曲折の末バウサ体制が発足
アルゼンチン代表の新監督に就任したバウサ。初陣となるW杯予選でどのようなスタイルを見せるのか 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
そのような状況下、AFAの運営を代行する正常化委員会の責任者アルマンド・ペレスは、ラモン・ディアス、カルロス・ビアンチ(彼は監督業からの引退を決めた)、ミゲル・ルッソら複数の指導者と面談を行った末、最初に話し合いの場を持ったバウサとの契約にこぎつけた。
選手時代のバウサは世界各国の1部リーグにおいてセンターバックとしては歴代4位の得点数を積み重ねた攻撃的なDFであり、強烈な個性と勝者のメンタリティーを持った選手だった。監督としては母国アルゼンチンに加えてペルー、エクアドルなどのクラブを指揮し、08年にリーガ・デポルティーボ・デ・キト、14年にはサン・ロレンソを率い、コパ・リベルタドーレスを2度制している。前者はエクアドル史上唯一の、後者もクラブ史上唯一の快挙である。今季はブラジルのサンパウロを率いて同大会の準決勝まで勝ち進んだ。
新監督の目指すスタイルは?
最終的にメッシは代表復帰を受け入れ、9月1日にホームでウルグアイ、6日にアウェーでベネズエラと対戦するW杯予選のメンバーにも名を連ねた。新指揮官のバウサがどのようなシステムとプレースタイルを用いるのか。彼は「バランス」という言葉をよく口にし、リードを得れば数メートルラインを下げて、逃げ切りを図ることも厭わないタイプの監督である。
バウサが選んだ9月のW杯予選2試合の招集メンバーリストは、ゴンサロ・イグアインが外れるなど多少の変更はあるが、すでに予告していたようにマルティーノ時代のそれと大きく変わることはなかった。新生アルゼンチンがどのような戦いを見せるのか、答えはひとまず9月に分かるだろう。
(翻訳:工藤拓)