トヨタ自動車を都市対抗初Vに導いた右腕 佐竹功年が晴らした11年間の悔しい思い
敵将も脱帽する自在な投球術
テークバックの小さい独特な投球フォームから自在な投球術を披露。今大会2完封を含む4勝、防御率0.30と絶対的な安定感を誇った 【写真は共同】
佐竹は言う。
「みんなが点を取ってくれた。“勝ち越されなければいい”という気持ちで投げられた」
同期の一打に「うるっときた」
2人は、同期生。しかも坂田は尽誠学園高、佐竹は土庄高と、高校時代は同じ香川でしのぎを削ってきた間柄で、「甲子園常連の坂田”さん”のチームは、見上げるような存在だった」と佐竹が言えば、坂田も「佐竹はそのころから、超有名なピッチャー」と立てる。
大学(佐竹は早大、坂田は関大)を経て進んだトヨタで、チームメイトとなった。現主将の佐竹に対して、元主将の坂田。このチームでは控えに甘んじても腐らず、試合前には束ね役を買って出て、ベンチでは大きな声を出してきた。そういう坂田の今大会初打席でのタイムリーに、佐竹は「うるっと泣きそうに」なったが、これ以上ない援護でもあった。