首位打者独走中のロッテ・角中の打撃論 巧みなバットコントロールの秘密を探る

千葉ロッテマリーンズ

土曜日の高打率は「たまたま」

悪球打ちは「言葉では説明しづらい感覚的なもの」と語る角中 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

――では、カウント別ではどのように打ち方を変えていますか。

 2ストライクに追い込まれたら、目線のブレが少ないようにノーステップで打っています。とにかく三振を減らそうという感じですね。追い込まれてからも、とりあえずは全部打ちに行きます。打ちにいって、難しい球が来たときは手首を返さないようにして打つ。そうすれば、ファウルになりますから。最初からファウルを打つつもりで打っているわけではありません。

――だから2ストライク後でも2割6分9厘と高い打率が残せるのですね。ファウルにするという打ち方を身につけたのは、いつ頃ですか。

 気づいたら、ですね。小学校高学年か、中学くらいからやっていました。ファウルを打つのも、感覚的なものです。投手が投げてから、ほんの一瞬の感覚だけでやっていること。投手が投げてから「手首を返そう」とか、「返さないようにしよう」と考えているヒマはありません。考えてやるのではなく、体が勝手に反応しているという感じですね。

――角中選手は土曜日の打率が5割4分5厘。他の曜日と比較して突出して高いのですが、何か理由はあるのでしょうか。

 たまたまじゃないですかね(笑)。あえて理由を挙げるなら、土曜日はデーゲームが多いからかも。サングラスが好きなんですよ。デーゲームでサングラスをかけていると球が見やすいというのも要因かもしれません。でも、対戦する投手との兼ね合いもあるので、あまり気にしてないです。「今日は土曜日だから打てそうだ」ということもまったくないですね。

「打率よりも出塁率を気にする」

――打率だけではなく、出塁率もリーグ2位の4割1分9厘と高い数字をキープしていますね。

 出塁率は、打率よりも気にしますね。そのために四球を狙いにいっているわけではありませんが、追い込まれてからも三振が少ないというのが一つの要因だと思っています。追い込まれてもファウルにしておけば、三振はないわけですから。今、打っている打順(3番)は、4番のデスパイネの前。彼には長打があるので、前に走者がいれば、得点になりやすいですしね。

――それでは、後半戦に向けて意気込みを聞かせてください。

 個人としては、いつも夏場に疲れてしまうので、シーズンの最後まで体がもつようにやっていきたいですね。チームとしては、勝つことだけを考えて一戦一戦やっていきたいと思います。

――2012年以来の首位打者も射程圏内ですね。

 現段階では意識していないです。首位打者をとったことがなければ、すごく意識していると思うんですけどね。今は、個人タイトルに意識はない。それよりも、優勝したいですね。自分が1軍で試合に出るようになってからは優勝したことがないので。野球はチームスポーツ。みんなで優勝したいという気持ちの方が大きいです。

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