高校野球芸人と行く!初めての地方大会 カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

いざ江戸川区球場へ!!

 試合前夜は雨。そして当日の天気予報は午前中小雨。観戦予定の「都立城東対日大一」は10時からなので、もう気が気でなりません。

 朝7時ごろから大会公式ホームページをチェックしつつ、現地情報を求めて「東東京大会」「雨」などのキーワードでツイッター検索。ひとまず雨天中止という情報はどこにもなかったため、試合会場となる江戸川区球場の最寄り駅・西葛西へ出発。

特に変装とかしない全国区タレント。忍びないし、構わない 【カネシゲタカシ】

 現地の天気は曇り時々小雨。試合30分前に駅で待ち合わせし、そこから徒歩5分の江戸川区球場へ。

江戸川区球場の外観 【カネシゲタカシ】

 僕はもちろんのこと、藤田もこの球場は初めて訪れるとか。大きな道路に面した街中の球場に「高校生でも(大阪桐蔭時代の)中田翔クラスだったら場外弾ありますよ。大丈夫なのかな?」と藤田の感想。僕はスコアボードに灯が入っているのを見て「よかった、中止じゃない」とまずは一安心。

球場で働いていたのは真っ黒に日焼けした坊主頭の高校生たち 【カネシゲタカシ】

 試合開始15分ほど前とあって、それほど並ばずチケット購入。入場料は大人800円、学生500円、中学生200円。甲子園の全国大会のチケットがアルプス席600円、外野席無料であることに比べると、思ったよりも高いなというのが率直な感想。全席自由で、席種による値段の差はありません。

これぞ高校野球大好き芸人

 公式サイトによると江戸川区球場は両翼90メートル、外野天然芝の本格的な球場で、屋根付きのスタンドは4000人が収容できるとか。一塁側に日大一、三塁側に城東。あいにくの天候にも関わらず両軍応援団で賑わいを見せています。

「いやあ、立派な球場ですよ。○○県の△△球場なんて本当にボロくて、イスなんかも昔ながらのコンクリートですから」

 捕手のほぼ真後ろに席を取ると、藤田は家から持ってきた冊子らしきものをバッグから取り出しました。

「日大一は2回戦で城北を破って勝ち上がってきました。城東はシード校なので今日の3回戦が初戦で……」

「ごめん、ちょっと待って。それ見せて」

藤田が持ってきた冊子 【カネシゲタカシ】

 冊子のトーナメント表には、藤田自筆による赤ラインがびっしり。忙しい仕事の合間にもしっかり結果をチェックする、これぞ高校野球芸人の鏡だと素直に感心しました。

やりやすいのは「圧倒的に小雨っス」

 ノックが終わってグランド整備が始まり、間もなくプレーボールです。相変わらずの小雨で気温は20度ちょっと。幸か不幸か熱中症の恐れだけはなさそうです。

 やっぱり晴れた日にやらせてあげたいなと思いつつ、藤田に「炎天下の試合と小雨の試合、選手としてはどっちがいい?」と質問しました。すると「圧倒的に小雨っス」と即座に返答が。

「まず投手はボールに湿り気のあるほうが指にかかっていいんです。それにカチカチの地面よりもイレギュラーが少なくなるんで、守備もしやすいですね。また今日ぐらい涼しいと体力を削られることもない。炎天下よりよっぽどいいです。なんならベストに近いコンディションじゃないですか?」

 さすが元高校球児。回答にしっかりと根拠があります。「青空のほうがステキやん?」みたいな僕の感想とは雲泥の差。

球場外で買った『出場校選手名簿』は全164頁。地方によってはずいぶん薄かったりするのだろう 【カネシゲタカシ】

 さて、そうこうしているうちに両軍ナインがホームベースを挟んで整列、試合が始まります。

 東東京大会3回戦。城東にとっては初戦、日大一にとっては2戦目。僕の知らないところで“すでに終わった夏”がたくさんあるんだなぁと思いつつ、けたたましいサイレンの音を聞きました。

 そして今日もまた、どちらかの夏が終わります。

〜〜後編(7月26日更新)に続く〜〜

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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