救援防御率リーグ1位、竜投の今後は? タジマ神頼みか、又福コンビへの信頼か
交流戦以降は安定のリリーフ陣
開幕からの連続試合無失点記録を作った田島。現在は守護神としてチームを支える 【写真は共同】
その一方で、最下位の阪神までは3ゲーム差。後半戦、逆転優勝が厳しくなると同時にCS争いが激しさを増すことは容易に想像がつく。そして、その激戦を谷繁竜が戦い抜くために重要になるのが、再び盤石になってきたリリーフ陣になるだろう。
球団史上初のリーグ連覇を果たした2011年には救援防御率2.10を誇った中日リリーフ陣。MVPに輝いた浅尾拓也と守護神・岩瀬仁紀のリレーから得点を奪うのは至難の業だった。当時と比べるとやや見劣りはするが、それでも若い世代が台頭し、13年(救援防御率3.39、リーグ4位)、14年(同3.24、リーグ1位)、15年(同3.01、リーグ4位)という成績を残してきた。
そして迎えた今季、開幕直後までは不安があったが、交流戦以降は安定感を発揮し、先発投手の白星を消した試合はわずか2試合という完璧に近い継投を披露。7月12日終了時点で、中日の救援防御率2.86はリーグトップにして、リーグ唯一の2点台となっている。
守護神不在の弱点補った田島
開幕当初の田島は、セットアッパーの2番手という位置づけだったが、毎試合のように登板する中で無失点ピッチングを続け、4月を14試合(13回1/3イニング)、防御率0.00で終えると、5月21日の巨人戦で2リーグ制以降のプロ野球新記録となる開幕27試合連続無失点を樹立。この試合の登板からクローザーを任されると、その後も無失点記録を30試合まで伸ばした。
6月10日の埼玉西武戦で今季初黒星を喫したものの、ここまで38試合に登板して2勝1敗14ホールド6セーブ、防御率0.74の好成績を残している。昨季、チーム低迷の大きな要因となった守護神不在の弱点を補い、ブルペンの屋台骨となっている。
祖父江、山井らセットアップも充実
左腕では、入団7年目の小川龍也がサイドスローを武器に左キラーの1番手としてブレイクの兆し。同期の岡田俊哉も今季登板した33試合のうち9試合でイニングまたぎをこなして奮闘中。7月3日の阪神戦で2イニング無失点の好投を見せたように、ロングリリーフも可能な貴重な戦力だ。さらに、シーズン途中に入団した新外国人のセプティモは先発として待機しているのだが本職はリリーフ。メジャーで21試合の経験は秘密兵器となり得るだけの力は十分に期待が持てる。