ロズベルグが対応力でハミルトン突き放す 今宮純のヨーロッパGPインプレッション

F1速報

光るフォース・インディア勢

クラッシュやグリッド降格から表彰台へと挽回したセルジオ・ペレス 【XPB Images】

 シーズン中盤を迎え、メルセデス、フェラーリ、フォース・インディア、ウイリアムズ、レッドブル、現在のトップ5チームがそろって入賞したのは今年初めてのこと。ひときわフォース・インディア勢が光り、セルジオ・ペレス7番手スタートから3位、ヒュルケンベルグ12番手スタートから9位で、3戦連続のダブル入賞。モナコ、カナダ、バクーとコース特性が異なる3戦だけに、価値がある。躍進の理由は初コースに臨むイニシャル・セッティングが的確で、とくにペレスはフリー走行1回目の走りはじめからハンドリングを絶賛していた。すべりやすい路面に多くのチームとドライバーがリヤの挙動に手こずっていたが、フォース・インディアの挙動は唐突ではなく、攻め入るリズムをつかんでいた。

 ところがペレスはフリー走行3回目でクラッシュ、15コーナーのミスを自己批判せねばならなくなった。それによって限界をつかんだものの、代償としてギヤボックス交換ペナルティを受けねばならず、チームスタッフに緊急修復作業を強いることに……。彼自身は予選を前に、メンタルの“修復作業”が必要だったはずだ。クラッシュした直後、すぐアタック・モードにスイッチが入るかどうか。そこに注目していると予選Q1で3位、Q2も3位、Q3に2位タイムへと高めていった。開幕から不運があっても、すべて完走してきている今年のペレスの芯の強さ、たくましさを再認識する。それはレース最終ラップにキミ・ライコネンをとらえ、きっぱり抜いて3位でゴールした場面にも言える。

 現在フォース・インディアはコンストラクターズ・ランキング5位。昨年の8戦終了時点と同じでも、獲得ポイントは31点から59点と倍増に近い。直近のライバル、4位ウイリアムズに31点差、じわじわと接近中である。

(今宮 純/Text:Jun Imamiya)

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