川淵会長「常識にとらわれるな」 Bリーグ36クラブ代表者決起会
大河「Bリーグの最重要事業はチケット」
大河チェアマンは資料を使いながら登壇し、「社会的な課題へ積極的な取り組みを行っていく」とBリーグのビジョンを説明した 【スポーツナビ】
ちなみに野球の市場規模は1600億円となっています。サッカーが1000億円、バスケットが100億円となっています。野球は12球団で1600億円ですので、1球団当たりで130〜140億円ぐらいです。抱えている選手が70人ほどですので、1人のプロ選手が2億円近い稼ぎを出しているということです。サッカーは30人ちょっとの人数で、J1チームが30億円強の規模ですから1人が1億円を稼ぎ出している。一方で、直近のBリーグは1人あたりの収入は2000〜3000万円しかありません。これが選手の年俸の格差になっています。野球は70人、サッカーは30人、われわれは12人でできるスポーツです。まずサッカーや野球を目指すには、1部のクラブの事業収入が10億円ぐらいをベースにしなければいけない。そんなことをやりながら、短期的には1億円プレーヤーの創出、そしてバスケット市場250億円、競技者人口75万人を目指しながら、中・長期計画を作り、遂行していきたいと思います。
僕らの調べによると、バスケットの観戦意向者が全国に700万人ぐらいいると言われています。まず、この700万人、うち競技経験者が260万人います。こういったところをターゲットに、バスケットの試合を見に来てくれる方をリピーターにして、観客入場者数を増やしていきたいと考えています。だいたい10代、20代、30代の若い世代の観戦意向が強い、というのがバスケットの特徴です。もちろん、年齢の高いところにも見に来ていただけるような環境は整備していかなくてはいけませんが、特に10代、20代の女性の観戦意向が強いというのが大きな特徴です。
そして、ここが一番言いたいところなのですが、バスケットボールのBリーグの最重要事業はチケットです。いかにお客様にたくさん来ていただき、いかに単価の高いチケットを売れるようなプロスポーツと団体になるかが勝負だと思っています。スポンサー料、放送権料、マーチャンダイズといろいろありますが、NBAではだいたいチケット収入がスポンサー収入の倍あります。日本は、Jリーグもそうですがチケット収入がスポンサー収入の半分しかない逆の関係になっています。ここをいかに上げていくかをしっかりとやっていきたいと思います。
大河「社会的な課題へ積極的な取り組みを行っていく」
われわれは公益社団法人ですが、まずはバスケットの団体です。日本のバスケットボールの水準の向上を目指しています。そしてバスケット団体という以前に、まずはスポーツ団体です。地域に根差したスポーツクラブができて、豊かなスポーツ文化の振興・発展を考えています。
さらには公益社団法人として、社会的な課題、ソーシャルイシュー(編注:社会的な問題や懸案事項)への積極的な取り組みを行っていく団体でありたいと思っています。
9月15日のBリーグができたときにも申し上げましたが、なんといっても世界に通用する選手やチームの輩出。世界基準でいえば、ベスト8やベスト4以上を狙えるようなチーム、そしてNBAで何人の選手が活躍できるか。こんなことも将来はチャレンジしていかなければいけませんし、エンターテインメント性の追求もしなければいけません。単に試合を見に来てもらうだけでなく、勝っても負けて楽しかったと言ってもらえるような、エンターテインメント性豊かな試合を観客の皆さんにお見せしなければいけない。
そのために最も重要だと私が思っているのは、夢のアリーナです。5000人という規模にこだわりましたが、これからは1万人という規模にもこだわりたい。大きなアリーナにたくさんの人に来てもらうことがそのスポーツの発展の全てかもしれません。体育館ではなく、見る人にやさしい夢のアリーナ。一歩ずつ各地域で話が出てきていますが、全力でBリーグとしても一緒に支え合っていきたいと思います。行政の皆さんともタイアップしていきたいと思います。ぜひ夢のアリーナを実現していきましょう。
BリーグはJBAと一緒で、「ブレイク・ザ・ボーダー」。垣根を越えて、未来へ向かって挑戦していきましょう。日本バスケットはあらゆるボーダーをブレイクしていきたいというふうに考えています。みなさん一人一人が同じ思いを持って、バスケットを盛んにする、スポーツを盛んにする、そして挑戦できる世の中にしたいと思いますので、一致団結してやっていきましょう。