【スターダム】4年ぶりのリング復帰を決めた美闘陽子 「もう中途半端では終わりたくない」
後悔を残して20代を終えたくなかった
昨年12月に29歳となり、「このままで20代を終わらせるのが嫌」と思ったのが、プロレス復帰への引き金となった 【スポーツナビ】
8月、9月に試合を見に行ったとき、すごく楽しいなと思って。それでもうそろそろ29歳(12月が誕生日)だし、このままで20代を終わらせるのが嫌だなと思い始めて、プロレスに後悔を残したまま終わらせたくないと考えて……。
――そこから復帰を考え始めたということなんですね。実際、その頃は体を動かしていたのですか?
まったくしていなくて、子供たちに空手を教えているので、ちょっと動いたり。調子がいい時は一般の部の練習に出て体を動かしたりはしましたけど、選手稽古みたいなことはしていないので、全然動いていないのと等しい感じです。
――復帰の後押しになった出来事はありましたか? 愛川さんと話したのもきっかけと言われてましたよね?
したんですよ! ただもともと、ゆずポンと会う前に、本当はフリーで復帰をして、スターダムと関係なくやろうと思っていたのですが、2月ぐらいにゆずポンから久しぶりに連絡がきて、ご飯食べに行かないということで会いました。
それで会ったらちょうど脇澤(美穂)さんがいらして、その時に「やっぱりプロレスをやるんだったらスターダムじゃない?」と言われました。その時はやっぱりプロレスを離れようかなとも思っていたのですが、でももったいないからやった方がいいんじゃないと勧められて。それで脇澤さんも「応援するよ」と言ってくれました。(笑)
――なるほど。その後に小川社長や風香GMに連絡を取られたと?
まったく取ってないです。まったく取らないで、その後に小川さんに会って、プロレスをもう一度やるか半信半疑の状態だったのですが、4年ぶりに会ったのに、何もなかったかのように、普通にお話してくれました。
――怒っていたり、確執のようなものがなかったと。
まったく。4年間の時間がなかったかのようでした。
――最終的に復帰を決めたキーポイントは何だったのでしょうか?
年齢、ですかね? あとはプロレスに興味を持ち始めたときに、復帰の話しがいくつかあったので、これも縁なのかなと。29歳だし。(笑)
これも運命なのかなと思いました。
復帰に向けて追い込み練習
愛川ゆず季とは「BY砲」として初代タッグ王座に輝いた。しかし、美闘のけがでベルトを返上している 【前島康人】
やるからにはベルトに挑戦できるぐらいまでにはいきたいです。すごい欲張りなんですけど、そのぐらいでないとできないですし。本当にスリーダム(紫雷イオ、岩谷麻優、宝城カイリの3人)とそのほかの選手が離れているので、下の子にも頑張って欲しいし、ベルトを3人が持っているので、そこはどうにか、そこの3人から離したいから、まずは私が取りたいと。そういう欲はありますね。
――やはりその3人は格が違うと?
違います違います! 小川さんが、私が入ったら「四天王」と言っていましたが、私はそれが不安な部分もありますし、まだ3人は若いですし……。
――年齢を気にしますね(笑)。
そうですね(笑)。思っている以上に動けない。動けないというか、この年齢になると、思ったより体力がなくなっていて。今も本当に、風香さんの練習に出させていただいていて、それとジムでの練習もして、2部練習するぐらいじゃないと体力がなくて。
――自分を追い込まないとできない?
追い込まないとできないと思います。
――同期の岩谷選手とは、差がついてしまった?
はっきり言って、あります。前だったらすごく悔しかったと思います。(岩谷が)前にできなかったことも今ではできるし、上から目線ですけど、「すごいまゆちゃん!」みたいな。ロープワークとかも、終わった後に倒れこむぐらい走れなかったのに、今ではみんなを引っ張ってやっているので、考えられないなと(笑)。
タッグのベルトを取り戻したい!
自身のけがで返上となったタッグベルトに関して「ゆずポンとのベルトを取り戻して見せたい」と意欲を見せる 【スポーツナビ】
また違うものがありますよね。前は(高橋)奈七永さん、南月(たいよう)さん、ゆずポンの存在が大きすぎちゃいましたけど、でも今のイオさん、麻優ちゃん、ほーちゃんも、しっかりとした3本柱で、まったく違う華があると思うんです。オーラといいますか。
――華やかさみたいなものが少し違うと?
そうですね。
――その中でどのベルトを狙いたいとかありますか?
私が持ったのはタッグのベルト。それを私が止めたことで、ゆずポンが返上したままなので、それを取り返したい。もう一度ベルトを巻きたいという気持ちはあります。それでゆずポンに「戻ってきたよ」と報告したいです。
――それでは最後に復帰への意気込みをお願いします。
ここまで4年間まったく動かずに来たので、感覚を取り戻すところから始まるけど、やるからにはしっかりやりたいし、中途半端では終わりたくない。前が中途半端だったので、中途半端ではやりたくなくて、それこそ、ゆずポンとのベルトを取り戻して見せたい。そこまでいければいいなと思います!
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
6月16日(木) 開場17:30 開始18:30
【既報対戦カード】
<ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負>
[王者組]紫雷イオ、岩谷麻優
[挑戦者組]木村響子、花月
※第8代目王者、サンダーロック11度目の防衛戦
<BITO BACK〜美闘陽子復帰戦〜 30分1本勝負>
美闘陽子
宝城カイリ