桜2着シンハライトに不安材料はあるか? 現場の本音を直送! オークス記者座談会

競馬専門紙「優馬」

波乱を演出するのは この馬だ!

久光「桜花賞は出走できず、前走でようやく自己条件を勝って抽選を通ったペプチドサプルですが、アルテミスSは落鉄、阪神JFは直線でモタれ、紅梅Sは距離不足、アネモネSは捌き遅れ、そして忘れな草賞は前後半で6秒の差が出た超スローと、明白な理由のある敗戦を続けていた馬です。マンハッタンカフェ×サクラローレルなら、距離が延びて結果が出てきたことに納得ができますし、中一週でも併せ馬で意欲的に追えているので、状態もOKと判断しました」

坂倉「これまでの対戦比較からも、人気馬とはそう能力差がないと思いますし、何より息の長い末脚は東京向きだと思いますね」

広田「とにかくタフな馬で、陣営も“疲れは全くない”とのこと。惜敗続きで回り道はしましたが、ようやく大舞台に辿り着いて、今度は“相手なりに走る”面が生きる番ですよね。“直線の長い東京なら”と、木原師も色気十分でした」

小島「僕はフロンテアクイーンで大穴を狙います。前走のフローラSは勝ちに行く競馬をしましたが、勝ち馬が強過ぎましたね。ただ、相手は順調に使われていたのに対し、こちらは久々だったので、まんま能力差ではないと思います。無欲の追い込みに徹すれば、勝ち負けになっておかしくはないですよ」

小野智「蛯名騎手は“前走は出して行ったら道中で掛かってしまった。今回は後ろから行ってみようと思うし、挑戦者として前走を糧とした競馬をしたいね”と言ってました。来るかどうかは別としても、コジの思い通りの競馬になるかもしれませんね」

守屋「国枝師は“前走の体も維持しているし、道中でムキにならずにフワッと乗れば、距離ももつと思う。メジャーやジュエラーが居ない組み合わせなら、こっちにも付け入る隙はあるんじゃないか”と、ニヤリ。奇しくも僕の◎と同じメイショウサムソン産駒ですからね……。サンデー系にひと泡吹かせて貰いたい気持ちもありますが……」

武井「穴としての魅力なら、ビッシュだと思います。前走は、五分のスタートを切りながら、最初のコーナーで前をカットされてシンガリまで下がる不利があったもの。結果、勝ち馬とは同じ数字の上がりを使っているので、着差ほどの能力差はないんじゃないでしょうか」

守屋「陣営も“前半のロスが痛過ぎた”と悔やんでましたね。400キロそこそこの馬で、馬体の維持が鍵となりそうですが、中間はミニ放牧も挟み、“馬体減はないと思うけど、多少減ったとしても、もともと細身の馬だから大丈夫。力は出せるデキ”と。当初は、デュプレシス騎手の予定だったんですが、ジュエラーの故障によって空いたデムーロ騎手を確保できたという点も、何とも不気味なんですが……」

桜井「昨年は忘れな草賞を勝って臨んだミッキークイーンが勝った、という点でも軽くは扱えないロッテンマイヤーですが、“本当に良くなるのはまだまだ先で、デビューも遅かったから秋華賞狙いで、と考えていたんだけど、オークスに間に合っちゃった、という感じです”と、池添学師は微妙に低姿勢で、あくまで挑戦者という立場を強調していました。ただ、さすがは良血と思えるセンスの良さと、馬に負担を掛けず無理のないローテーションにも好感が持てます。前走は時計こそ平凡でしたが、この1ヶ月半で陣営の想像以上に成長していれば……。先物買いの価値は十分にありますよ」

デスク「ロッテンマイヤーさんは悪役だったけど、本当はいい人だったんだよな……って、そんなことはどうでもいいな。まだまだ気になる馬を出してくれ」

田崎アドマイヤリードは、2週続けて速い時計をマークしている点に好感が持てますね。小柄な馬がこれだけ熱心にやれていることは、注目できます」

那谷「須貝尚師は“血統的に距離は心配していないし、今の状態なら長距離輸送もスタンド前からの発走もクリアできる”とのこと。ただ、テンションの上がりやすい馬なので、当日の馬体重やパドックでの気配の確認は必要だろうな。桜花賞はジュエラーに次ぐメンバー2番目の上がりをマークしたけど、能力の証と見るか、直線だけのレースだったからと見るべきか、微妙なところもあるんだ。展開次第では怖いけれども、あくまで穴馬の域を出ないよな」

瀬古「同じように、直線に賭ける競馬となりそうなレッドアヴァンセですが、距離延長にプラスとなる材料こそ見つからないまでも、東京コースがマイナスにはならないはずです。それより、安定しない馬体重や、直線で伸び負けした近2走の内容から、現時点では上位と力の差があるかもしれませんね」

久光「◎自体が穴馬の僕が、さらに大穴として狙ってみたいのがフロムマイハートです。◎のペプチドサプル同様、この馬も忘れな草賞では展開に泣いたクチですし、前走同様の最内枠なら立ち回り次第で可能性があると思っています」

小桧山「俺はジェラシーだな。前走は自らレースを作り、最後の最後まで追い出しを我慢する中身の濃い内容。鞍上と師のオークスを見据えた“義兄弟の契り”があっての作戦だったと思うぞ。菊沢師は“前走でも目一杯の仕上げではなかったし、ここにピークを持って来れたよ。折り合って運べた前走から、距離延長も他の馬ほど苦にならないと思う。ノリちゃんと作戦は練ったし、って今は教えないけど(笑)。いい結果を期待しているんだ”と、感触が良い一方で、横山典騎手はあまり喋りたがらないんだよな……。余力があった前走にラスト1ハロンの11秒6を足せば、フローラSと同タイムになるから、チェッキーノと同レベルと見ることもできるぞ」

デスク「最後は◎アウェイクの編集長に締めてもらおうか」

上田「この馬がレース間隔をあけずに出走したのは、3走前の一度きりで、その未勝利戦が圧巻のパフォーマンスだったんだよ。久々の前走が、従来のレースレコードにコンマ3秒差の3着なら、むしろ上等と言える走りだと思うし、叩き2走目となる今回は大きな上積みが期待できるんじゃないかな」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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