【DDT】カリスマ佐々木がDDT2冠王に君臨 LiLiCoが鉄人王座陥落も新たな標的へ

高木裕美

HARASHIMAは樋口の挑戦を退けるも……

どこでも挑戦権を行使し、シングルとタッグの2冠王となった佐々木 【前島康人】

 24日のDDTプロレスリング「MAX BUMP 2016」東京・後楽園ホール大会では、3大タイトルマッチなどが開催され、超満員となる1635人を動員した。

 メインイベントのKO−D無差別級選手権試合では、王者・HARASHIMAが樋口和貞を退け2度目の防衛に成功するも、直後に佐々木大輔の挑戦を受け、無念の王座陥落。佐々木がシングル&タッグの2冠王となった。

 DDTの不動のエースであるHARASHIMAは、3.21両国国技館大会で王座返り咲き。同大会で次期王座挑戦権を獲得した樋口の挑戦を受けることになった。大相撲出身というバックボーンと恵まれた肉体、驚異的なパワーで、デビュー2年未満にして次々と大物食いを果たしている樋口は、前哨戦で6人タッグ戦ながら王者から直接フォールを奪取。この日も、ファンからの大きな声援を胸に2度目の王座挑戦となった。

HARASHIMAは樋口を蒼魔刀でし止めた 【前島康人】

 樋口は序盤戦で脳天から鉄柱に激突しながらも、即座にHARASHIMAを抱え上げてお返しすると、アイアンクロー、ダイビングボディープレスなどを繰り出し、HARASHIMAのハイキックにも逆水平チョップで呼応するなど一歩も引かず。HARASHIMAは樋口のカウンターのラリアットの直撃を受けながらも、ミドルキック、水面蹴り、延髄斬りで動きを止めると、蒼魔刀でフィニッシュを決めた。

やり方の汚い佐々木に坂口も怒り心頭

佐々木がミスティカ式変形クロスフェースでとらえると、レフェリーが試合をストップ 【前島康人】

 だが、試合直後に佐々木が乱入。両国大会で獲得した「いつでもどこでも挑戦権」を行使し、まだ息が上がっているHARASHIMAを襲撃する。HARASHIMAもドロップキック、背中への蒼魔刀、リバースフランケンシュタイナーなどで必死のファイトを見せるも、佐々木がミスティカ式変形クロスフェースでとらえると、レフェリーが試合をストップ。まさかの王座移動となってしまった。

 これには、5.8札幌での王座挑戦を予告していた坂口征夫も怒り心頭で、「おまえみたいな汚いヤツ、札幌でやってやるよ」と新王者に制裁予告。一方、2冠王となった佐々木は「心地いい。これが昔から望んでいた風景なのかも」とご満悦の表情を浮かべた。また、不測の事態で敗れたHARASHIMAは、「ベルトは失ったけど、来年のさいたまのメインに上がる目標は持ち続けているから」と、王座返り咲きへの執念を燃やしつつ、「佐々木は強いというかうまかった。最後は動けなかった。でも、僕はギブアップしてないですから」と、悔しさと意地をムキ出しにした。

竹下&遠藤組は一時タッグ休止へ

彰人&ヤス・ウラノ組が佐々木大輔&石川修司組に挑戦 【前島康人】

 KO−Dタッグ選手権試合では、佐々木大輔&石川修司組が前王者組の竹下幸之介&遠藤哲哉組を返り討ち。3.21両国大会のリマッチでまたも敗れた竹下組は、タッグとしての活動を一時休止することを匂わせた。

 王座移動となった両国大会に続き、今回も小柄な佐々木のインサイドワーク、そして大柄な石川のパワーが炸裂。竹下も得意のジャーマンスープレックスで石川の巨体を投げきり、遠藤も空中技でかく乱するも、竹下のラリアットが遠藤に誤爆。これをきっかけに、佐々木が竹下を変形クロスフェースロックで捕獲し、勝負を決めた。

 王者組には、この日の3WAYタッグ戦を制し、5.15名古屋での次期挑戦権を手に入れた彰人&ヤス・ウラノ組が正式に挑戦表明。「スマイルスカッシュとしての勲章を手に入れたい」と王座奪取を訴えるウラノに対し、佐々木は「小さいヤツら。負ける要素は1つも見当たらない」と自分のことは棚に上げて必勝宣言した。

 一方、両国に続き、またしても自分が敗れてしまった竹下は「時間が欲しい」と、遠藤とのタッグ休止発言。これに対し遠藤は「竹下とのタッグでないと意味がない。すぐにとは言わないけど、また2人で必ず取り返したい」と、未来のリベンジを訴えた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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