【仙台女子プロレス】アジャ・コングを迎え撃つ里村明衣子 仙女三銃士は世志琥、奈七永と一騎打ち
生まれ変わりつつあるチサコの“狂気”に注目
十文字姉妹としての活動を終え、DASH・チサコが変化を迎えている 【スポーツナビ】
以前からチサコはKAORUさんのスタイルをすごく学びたいと言っていて、何度か対戦したり組んだりを繰り返してきました。それで、いよいよ十文字姉妹が解散となった時に、チサコがもうひとつやりたいことがあったと。それが「ハードコアの道にいきたい」という思いがあったのですが、もちろん仙女はそういうスタイルでもないですから、どこかで自分を抑えていた部分があったように思います。
それがいよいよ先日の仙台大会(3月22日、仙台市宮城野区文化センター大会)で爆発しまして、志田光が持っていた竹刀を取り上げて、バチバチにやり返して、KAORUさんが持ってきた机を取り返し、そのままメッタ打ちにしたりと、何か今までにないチサコの格好良さが見えました。
――ある意味、十文字姉妹というタッグがあって、その枠から飛び出していなかったと。それこそ、今月10日に開幕するプロレスリングWAVEのリーグ戦(「CATCH THE WAVE 2016」)にもチサコ選手は出場しますよね。今が選手として、変化を迎える時期なんですかね?
そうですね。それがすごく面白くて、何か「もがいている」部分もあり、チサコらしさが垣間見える感じがします。「このままいったら爆発するぞ」と。今まで、チサコの気の強さは半分ぐらいしか出せていなかったと思うのですが、その点で期待を持たせてもらっています。チサコの“狂気”を、みなさんが知ったら面白いと思いますね。
「どんな試合になるか楽しみ」
志田光(左)&朱里とKAORU(右)&チサコの試合は「持ち味が違う4人が混ざった時に、どんな試合になるか楽しみ」と話す 【スポーツナビ】
私自身は、2年前の秋田(14年6月1日 大館市民体育館大会、朱里&志田vs.里村&日向小陽)で対戦したことがあります。その時に並んだ姿がすごく格好良かったんです。お互い、団体も立場も違うし、あまり組む機会はなかったと思いますが、それを仙台で久しぶりに志田が朱里を呼び込んだ時に、2人が並んでいる姿を見て、2年前よりも映えているなと。
――ともに伸び盛りの選手という印象で、見た目的にも2人が一緒にいたらそれだけで売り出せそうな感じです。
本当にそうですね。でも今回チサコは、凶器OKのルールにしてくれと言っています。ルールについては当日にならないと分かりませんが、また一味違った試合になりそうです。それぞれ持ち味が違う4人が混ざった時に、どんな試合になるかは楽しみです。
世志琥復帰に納得せずとも考え方を転換
世志琥の復帰には納得はいっていないと話す里村。それでもシードリングの2人と関わるのはリング上で結果を出すため 【横田修平】
当然、世志琥の復帰までの過程は、私は自分が感じたことをまったく取り消すつもりはないですし、言った発言を取り消すつもりはありません。納得していないというのは、今でも変わりません。
ただ、納得いかないからといって、このまま関わらないのかと。それに、向こうが堂々と復帰したことを見て、うちの選手たちが「世志琥さんや高橋さんとは関わらないのですか?」と伺いを立ててきたんです。もちろんみんな、私が怒っていることを分かっていたのですが、それでもやっぱり気になっていたんだなと。そこを自分の私情だけで、このまま一生関わらないか、もしくは今、このタイミングでオファーをしたら堂々と仙女に来てくれるか?
プロレス界で生きているのなら、リングの上ですべての結果を出し、リングの上で戦うべきだと感じて対戦を要求しました。
現在の感情としては向こうも私と同じくらい面白くないでしょうね! 私が発言した当時は相当批判があったらしいので。
――実際、世志琥選手の復帰戦は見られましたか?
はい、見ました。そもそも自分がなぜ世志琥に対してあのような発言をしたかというと、結局、引退する前には、世志琥に復帰して欲しかったんです。でも本人は、引退を決断し、リングを去りました。そこが自分の中で引っかかっていた部分で、やっぱり世志琥が気になっていて、気になっていた時に、あのような出方をされたら、私としては面白くないですよ。
――そんな世志琥選手と対戦するのがカサンドラ宮城選手です。
めちゃくちゃ面白くないですか? 世志琥が引退する前は、まだカサンドラ宮城は登場していないんです。そして世志琥が1度リングを去ってから、カサンドラ宮城というレスラーがデビューし、今回初めて、遭遇することになるんです。
この2人が対峙した姿にどんなものが生まれるか。まだ誰も想像できないですよね。ですから本当に楽しみです。
――また、橋本選手は高橋選手との一騎打ちとなります。
とにかく橋本が、高橋と戦いたいと前々から言っていました。橋本はまだデビューして5カ月ですが、アジャさん、松本浩代、朱里といった選手と戦い、いい線をいっていると思います。
今回、橋本には勝ってもらいたいですね。全然勝てる相手だと思います。自信を持って送り出したいです。
――まずは橋本選手、宮城選手がシードリングの2人を迎え撃つことになりますが、やはり結果によっては里村選手も出て行くことになりそうですか?
どうでしょうね? やっぱり今はアジャ・コング戦に集中していますし、当日は試合を見られないと思います。ただ反応によっては、自分がその時に感じたままに動くと思います。
――それでは最後に、仙台女子として今大会の意気込みをお願いします。
今できることはすべてやる。タイミングよく打ち出す。今持っているものを出し尽くしても、まだあると。出しても出してもまだまだという思いで、選手がもっと欲深くなっていかないと時代はこないと思うので、もっと欲を出して、それぞれが眠っているものを出していこうと思います。
4月8日(金)東京・後楽園ホール 開場17:45 開始18:30
<メインイベント センダイガールズ ワールドチャンピオンシップ選手権タイトルマッチ 30分1本勝負>
[王者]里村明衣子
[挑戦者]アジャ・コング
<セミファイナル 美闘女狂乱 スペシャルタッグマッチ 30分一本勝負>
DASH・チサコ、KAORU
朱里、志田光
<第4試合 シングルマッチ 20分一本勝負>
橋本千紘
高橋奈七永(シードリング)
<第3試合 シングルマッチ 15分一本勝負>
カサンドラ宮城
世志琥(シードリング)
<第2試合 シングルマッチ 15分一本勝負>
アイガー
アレックス・リー
<第1試合 タッグマッチ 20分一本勝負>
岩田美香、松本浩代
小林香萌、木村響子