早実・清宮、2年目初戦は特大弾のご挨拶 つなぎの打撃も披露して4番の責任十分

清水岳志

監督も「どこまで飛んでったの?」

「昨年より飛距離が伸びている」と清宮。3月の練習試合解禁以来、14本目の本塁打を放ち、「冬にベンチプレスやスクワットで筋力が増した」成果が出ている 【写真は共同】

 さて、バッティング。

 期待通り、一発を見舞って2年目のご挨拶だ。5回、相手ピッチャーが代わった先頭打者。変化球を空振りするなど2ボール2ストライクと追い込まれるが、外の変化球をレフトとライトにそれぞれ大きなファウル。「ここでストレートはないな」と読み切った7球目、高めのスライダーをライトの防御ネット上段にぶち当てた。和泉監督が「どこまで飛んでったの?」と打球を追えないほど、飛ばしたわけだ。

「冬にベンチプレスとスクワットをやって筋力が増した」とパワーがついた。「飛距離が伸びてると思います」とは自身の実感だ。

 1年の時に22本を放って、今日のホームランが36本目とのこと。この春、練習試合を含めてすでに14本を重ねていることになるが、本人は「コンスタントに出てますね」とはにかんだ。

ライナーより大きな弧を描く飛球

 オープンスタンスで構え、踏み込んでコンパクトに振り抜くフォームは大きくは変わっていないが、「タイミングの取り方を春のオープン戦から変えてみた」そうだ。結果を出す修正力は磨きがかかっている。

 鋭いライナーがスタンドインするというよりも、大きな弧を描く飛球が文句なしにスタンドに届く。今日と練習試合のホームランを見たが、打球の質が変わってレベルアップした印象を受ける。本人も「少し擦った打球でしたが、悪くない弾道でした」と分析してみせた。

 1打席目は外角のストレートを流し打ってレフト前へ軽打。初回の4点につなげ、6回は満塁から押し出し四球を選んで一気のコールド勝ちに貢献した(12対2)。「自分が打てば盛り上がるし、チームを背負っている」と4番の責任も感じている。

 甲子園のセンバツをテレビで見ながら、「自分らはなんで、ここ(早実グラウンド)で練習してんだろう。負けてられないな」と思ったという。負けん気と分析、調整力はそのままに、夏よりもそして秋よりも、冷静に落ち着いていた。チームも怪物も冬を越えて、楽しみな春を迎えた。

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著者プロフィール

1963年、長野県生まれ。ベースボール・マガジン社を退社後、週刊誌の記者を経てフリーに。「ホームラン」「読む野球」などに寄稿。野球を中心にスポーツの取材に携わる。

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