イ・ボミら、し烈極める韓国代表争い 米メジャーが左右するリオ切符の行方
世界ランキング15位と韓国勢では8番手につけるイ・ボミ。リオ五輪出場には、上位4番手以内に入らなければならない 【Getty Images】
例年、見どころが盛りだくさんの同大会だが、今年は新たな話題が注目を浴びている。それは8月に開催されるリオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)で、112年ぶりに復活するゴルフの代表の座を賭けた戦いだ。なかでも韓国人選手の争いが熱を帯びている。
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し烈を極める韓国代表争い
出場資格を得られるのは、男女とも60名。2016年7月11日時点での、世界ランキングをもとにした五輪ランキングによって決定される。その詳細な条件は、以下のとおりである。
(1)世界ランキング上位15名までの選手で、各国最大4名までが出場資格を得られる。
(2)世界ランキング16位以下の選手は、1カ国2名(15位以上の有資格者も含む)を上限として、出場資格を得られる。
(3)5大陸ごとに、最低1名の出場枠が保証される。
(4)ホスト国のブラジルは、最低1名の出場枠が保証される。
つまり、世界ランキングの順位を上げて五輪出場に近づくためには、ポイントの高い今週開催のメジャー、ANAインスピレーションで好成績を収めることが必須条件なわけだ。
現在の世界ランキング(16年3月28日時点)を見てみると、15位までの韓国人選手は8人もいる。仮にこのままのランキングの場合、8人中4人は出場権を得られないことになるのだから、し烈な代表争いと言える。
韓国勢のトップは世界ランキング2位の朴仁妃、そこに続くのが同5位のキム・セヨン、同6位のジャン・ハナ、同8位の梁熙英、同9位のチョン・インジ、同11位のリュウ・ソヨン、同12位のキム・ヒョージュ、同15位のイ・ボミだ。
今季も好調な韓国勢
その理由は今季、米女子ツアーでの韓国勢の快進撃にある。1月の開幕戦、ピュアシルク・バハマ・LPGAクラシックで優勝したキム・ヒョージュ、コーツゴルフ選手権とHSBC女子チャンピオンズで勝利し、今季2勝を挙げて絶好調のジャン・ハナ、そしてJTBCファウンダーズカップで優勝したのは昨シーズンにルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したキム・セヨン。7試合を終えた時点で韓国人選手の勝利数が4つとは驚異的だ。今季勝利を収めている彼女たちはみな、「五輪出場が目標」と堂々と宣言しており、そうした高い競争意識が強さの背景とも言える。
そんななか、韓国人女子ゴルファーの中で圧倒的な存在感を備え、その頂点に君臨する朴仁妃は、今季開幕戦をケガで途中棄権してスタートダッシュに失敗。ただ、先週(3月24〜27日)のKIAクラシックで2位に入り、世界ランキング2位の片りんを見せつけた。パクは「ショットとパットの感覚は今季で一番良かった。重要なメジャーを前に自信を得られたことが大きな収穫」と好調をアピールしており、メジャー制覇の筆頭候補に挙げられる存在だ。
さらに、2月コーツゴルフ選手権で3位タイ、ホンダLPGAタイランドも2位に入って、米ツアー1年目の新人ながらポテンシャルの高さを示したのがチョン・インジ。昨年は日本女子メジャーのワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップと日本女子オープンを初出場ながら制覇し、米メジャーの全米女子オープンも初出場で優勝して大きな話題を振りまいた。