坂口智隆、連覇を狙うヤクルトの救世主へ 課題だった「1番・センター」を埋める男
同じ年の大引がヤクルト入りを後押し
坂口は「守備にしても走塁にしても自分のできることをやっていきたい」と今季の目標を口にする 【写真は共同】
「大引がいるんでね。ホントに溶け込みやすかったというか、もう助かる部分しかない。心強かったです」
一方でその大引は、実はというか、やはりというか、“盟友”のヤクルト入りを後押ししていた。
「彼がヤクルトから話をもらってるけど、ちょっと迷ってるみたいな時に『おいでや』ぐらのことは言ったかもしれないですね(笑)。ちょっとうれしい気持ちもありましたし、来てほしいっていう気持ちもあったと思います。『(ヤクルトって)どうなん?』って聞かれたんで、『坂口にとってやりやすいんじゃないか』っていう話もさせてもらいました」
「待望の頼もしい1番」と首脳陣も期待
「もう、感謝しかないですね。(オリックスファンには)ずっと応援していただいたし、今があるのもオリックスで試合に出してもらったおかげやし。グラウンドで直接あいさつできないまま違うチームに行ってしまったのでね、元気に野球することが今までの感謝の気持ちと思ってプレーします」
この試合では1番センターで出場し、4打数2安打。その後も好調をキープし、堂々たる成績でオープン戦を終えた。
「体も強いし、スイングも速い。『パ・リーグの選手だなぁ』と思ったよ。バットコントロールもうまいし、実績もある。頼もしい1番バッターですよ、待望のね」
杉村繁チーフ打撃コーチが言うように、昨年の途中で山田哲人が3番に移って以来、なかなか定まらなかったトップバッターとしてはもちろん、青木宣親がメジャーに去ってからは“空白地帯”となっていた正中堅手としても、坂口にかかる期待は大きい。
今季の目標は「試合に出ること」
13年にシーズン60本塁打の日本新記録を樹立した大砲、ウラディミール・バレンティンの出遅れが濃厚な中、開幕戦ではまた違った役割を担う可能性もある坂口だが、ゆくゆくは1番・センターのスポットに収まるはず。そうなれば、昨シーズン14年ぶりのセ・リーグ優勝を飾ったヤクルトの野手陣にあって唯一欠けていた「1番・センター」というピースが、ついに埋まることになる。