リアルスティール悲願GIへ千載一遇の好機 怪物級不在、戦わずして勝負あり?
数字上は欧州の一流クラスと互角以上
数字上の比較なら欧州トップホース相手にも互角以上に戦えるはず 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
ソロウは昨年のドバイターフを4馬身1/4差で圧勝したが、自身の通過ラップ(400mごと、最後のみ200m)と2着ザグレイギャッツビーのラップは下記の通りだった。
■2015年 ドバイターフ
1着:26秒56−49秒87−1分14秒00−1分36秒68−1分47秒76
2着:26秒78−50秒24−1分14秒11−1分36秒93−1分48秒49
日本より時計を要す傾向の芝とはいえ、800m通過に50秒近く、1000mに推定62秒は遅い。しかし、ゴールの1800mから1200mを逆算したソロウの上がり600mは33秒76、ラスト200mは11秒08とキレにキレた。それも、独走状態で叩き出した数字なのだから恐れ入る。この相手とまともに追い比べとなっては分が悪い。一方、ザグレイギャッツビーの上がりは34秒38、ラスト200mは11秒56。同馬は仏ダービーと愛チャンピオンSでG1を2勝、2着も4回ある欧州の一流馬だが、これくらいのラップであればリアルスティールにも対応可能なはずだ。
リアルスティールは1800mを4戦し、走破時計は前走の中山記念で記録した1分46秒0が最速。当時は上がりも34秒1を計時している。芝の質自体は中山の方がメイダンより軽いかもしれないが、中山の1800mがコーナー4つに対してメイダンは2つと走りやすい。そうした条件の違いを考慮しても、数字上は欧州の一流クラスと互角以上に戦えるだけの実力ありと考えられる。
今回の相手関係はソロウの回避により怪物級が不在。それどころか、ザグレイギャッツビーのような実績馬も見当たらず、リアルスティールにとっては悲願のG1制覇へ千載一遇のチャンス到来となりそうだ。
Text by 渡部浩明