憶測やうわさが蔓延するスペインメディア リーガの優勝争い、早すぎた決着

来季の構想にまで膨らむ憶測

うわさが蔓延しているのはアトレティコ・マドリーも同じ。シメオネは来季、プレミアへ? 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 またリーガの優勝争いから脱落したことで、レアル・マドリーではふくらはぎのけがに悩まされながらも良いパフォーマンスを見せているガレス・ベイルに契約延長を申し出ることが検討されているようだ。

 スペインメディアの憶測は来季の構想にまで膨らんでいる。ジダンが続投する場合、レアル・マドリーはようやくユニホームが売るかどうかは関係なく、実力のあるMFの獲得に専念すると言われている。そしてうわさされる放出リストには、残留が決まっている選手たちより多くの名前が並んでおり、その中にはハメス・ロドリゲスやトニ・クロース、アルバロ・アルベロアに加え、先日一部の地元ファンからブーイングを受けていたクリスティアーノ・ロナウドまで含まれているという。

 メディアの憶測はフロレンティーノ・ペレス会長にも及んでおり、やはりチームが危機的状況に陥っていた06年の2月と同じく、成績不振の責任をとって辞任する可能性が報じられている。

 それでもまだレアル・マドリーには、今季残された唯一のタイトルであるCLがある。リーガで結果を出せなかったシーズンにCLを制した経験もあるにはあるが、当時と今とでは置かれた状況が大きく異なる。

 眉唾もののうわさが蔓延しているのはアトレティコ・マドリーも同じだ。ディエゴ・シメオネ監督はプレミアリーグからのオファーに耳を傾けるようになってきたとか、フェルナンド・トーレスに残された選手寿命は短いとか。ホームスタジアムを建設中の“ラ・ペイネタ”に移すことでクラブに入る金、そしてCLで勝ち進むごとにもらえる賞金によって、遂にスーパーなチームができる時が来たとか。スペインではさまざまなうわさが飛び交いはじめている。

 それらのうわさが真実かどうかは現時点では分からない。だが早々に優勝争いの決着がついてしまった以上、フットボールそのもの以上に周辺から聞こえるうわさ話の方が話題の中心となっていく傾向は確かにある。今季のスペインのように、随分と前から勝者が決まってしまったのであれば、それも仕方のないことなのだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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