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C・ロナウドは英雄か? 悪役か?
高い得点率も、繰り返す自己中心的な言動

試合後に飛び出した問題発言

チームが苦しい状況の中で飛び出したC・ロナウドの発言は極めて自己中心的なものだった
チームが苦しい状況の中で飛び出したC・ロナウドの発言は極めて自己中心的なものだった【写真:ロイター/アフロ】

 スペイン国王杯の失格に続き、リーガ・エスパニョーラでも10試合を残して首位バルセロナに12ポイント差をつけられたことで、レアル・マドリーは実質的に優勝の可能性を失った。今季に残された希望はチャンピオンズリーグ(CL)のみ。危機的状況が続く中、先日レアル・マドリーの選手から問題発言が飛び出した。エースのクリスティアーノ・ロナウドが「もし全員が自分と同じレベルにあったら優勝できたはずだ」と語ったのだ。


 2月27日(現地時間)に行われた、アトレティコ・マドリーとのダービーに0−1で敗れた直後(ホームでのダービー敗戦はこれで3年連続になる)、サンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンでC・ロナウドが発したこの発言に対し、他のチームメートは少なくとも翌日の練習で本人の説明を聞くまでは公の場で反応を見せぬよう、努めて驚きを隠そうとしていた。チームが苦しい状況下にあるタイミングで発せられたこの発言は、周囲が軒並み沈黙を保ったとはいえ、全くもって望ましいものではなかった。


 こうしたC・ロナウドの自己中心的な言動はこれが初めてのことではない。チャンスボールが自分ではなく他のチームメートの元へ渡ればあからさまに不満を露わにし、レフェリーがファウルを取らなかったり、思い通りのプレーができなかったときは、子供のように怒り散らしてピッチに座り込む。どれも見慣れた光景である。


 だが、5日のセルタ戦のキックオフ前、彼の名がアナウンスされた際にわずかながらもベルナベウのスタンドから聞こえてきたブーイングは、試合結果やプレー内容以上にフットボールを取り巻く事象に敏感なファンにとって、C・ロナウドに対する評価を変える可能性がある出来事だった。

得点率ではメッシを大きく上回る

C・ロナウドの得点率は平均1.11とメッシの0.91を大きく上回っている
C・ロナウドの得点率は平均1.11とメッシの0.91を大きく上回っている【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

 この日のC・ロナウドはキックオフ前だけでなく、試合の前半を通して省エネを意識するシーンが目につき、ボールを失っても全力で奪い返しにいく姿勢を見せないことで度々ファンの怒りを買っていた。だが、もしこの試合を見ることなく、7−1という最終スコアとC・ロナウドが4つのゴラッソを決めた結果だけを知ったならば、彼がブーイングを受けた理由を理解することは不可能だっただろう。


 セルタ戦の後半、C・ロナウドは2つの見事な直接フリーキックを流し込み、絶妙なポジショニングから身体能力の高さを存分に生かしたヘディングシュートも決めた。


 しかも彼はこの4ゴールによってリーガ・エスパニョーラでの得点数を27に伸ばし、28節終了時点で26ゴールのルイス・スアレス(バルセロナ)を抜いて再びピチチ(得点王に与えられる賞)争いの首位に立った。また、リーガの通算得点数でもテルモ・サッラの251ゴールを上回り、歴代2位に浮上。まだ歴代首位のメッシ(通算306ゴール)とは差があるが、試合数で換算した得点率では228試合出場253ゴール(1試合平均1.11ゴール)のC・ロナウドがメッシの338試合出場306ゴール(同0.91)、サッラの277試合出場251ゴール(同0.91)を大きく上回っている。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿