DDTプロレス・高木三四郎社長「今の規模感を落としちゃいけない」

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マンネリが一番避けないといけないこと

レスラーにとって一番の敵がマンネリ。常に刺激を入れるため、いろいろなことに挑戦していく 【高木裕美】

――選手としてはより良い環境で働きたいという思いもありますよね。

 どうなんですかね? レスラーってお金だけじゃないですから。そこは人によりけりだと思います。

 僕なんかはマンネリが嫌いなんです。だからDDTで試合をしていると、なんとなくマンネリになる。そうなった時、「ダメだな」と思って、2011年にユニオンへ移籍し、DDTには後楽園大会にしか出ないという時期がありました。本当は後楽園にも出たくなかったんですけどね(笑)。

 基本、環境を変えるということをしないとダメなんですね。レスラーって。良い表現をするなら、ジプシーのように世界中を渡り歩くという感じですけど。プロレスラーって決められた対戦相手といつもやっているとマンネリになるじゃないですか? それを見せられたら、お客さんとしてもマンネリになるし。興行会社として避けないといけないのは、マンネリですよね。

 だから飯伏もやめたじゃないですか? 飯伏も同じだと思いますよ。あいつも環境を変えたいから、そういう決断をしたんだと思います。プロレスラーってモチベーションで生きる生き物なので、わがままな生き物ですよね(笑)。

“お約束の美学”とのバランス

平田の「TOKYO GO!」もお約束の美学の1つ。マンネリとお約束のバランスを取っていくことも大切だ 【前島康人】

――高木社長は、実際自分でも試合に出るプレイングマネジャーとなりますが、リングに出続ける意味は?

 それが一番まとまるんですよ。現場にいて、現場で試合をしている方がまとまるんです。だからメインに出たいとか、ベルトに挑戦したいというのはないです。ただ、お客さんを満足させたいという気持ちは、今試合に出ている人間の誰にも負けていないと思うので、その辺りの気持ちを持ちながらやらないと経営にも反映されないので。

――会場が何を求めているのかを一番感じられるのがリング上だと?

 それが一番確実ですよね。誰が求められ、求められていないのか? 誰が飽きられているとか、あるじゃないですか? やっぱりそれは肌で感じる部分だと思うので。マンネリは好きじゃないので。

 ただプロレスって不思議なもので、“お約束の美学”はありますよね。そこのさじ加減は難しいです。

――“お約束”があるからこそ、一緒に盛り上がれるというところもありますね。

 だから平田(一喜)の『TOKYO GO!』なんて、何年やっているんだよって話ですよね(笑)。あれもやっぱり“お約束の美学”になっているから成立するんですけど。僕はマンネリを感じちゃうので、その辺のバランスを考えて、違うものを提供したり、違うことをやったりの繰り返しですよね。

――最後になりますが、DDTとしての目標は?

 やっぱり経営者として考えたら、上場はしたいですね。最終目標として。そこに到る到達点としては東京ドームクラスの会場は1回経験しておきたい。ただ僕の持論として、東京ドームはプロレス観戦に適していないと思うので(笑)、一番良いのは、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ、武道館、両国だったりを毎回いっぱいにすることですね。

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)

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