【Krush】小比類巻の弟子・小澤が王座戴冠 K−1王者・武尊に挑戦状

長谷川亮

僅差の判定で神戸翔太に勝利

小澤海斗が神戸翔太に勝利。武尊との対戦をアピールした 【長谷川亮】

 立ち技格闘技「Krush.63」が5日、東京・後楽園ホールで開催された。

 メインイベントは初代王者・武尊がK−1−55kg王者としての試合に専念するため返上となったベルトを争う、第2代Krush−58kg王座決定戦。14年2月に王者・武尊へ挑戦した経験を持つ神戸翔太vs.王座挑戦権を賭けた過酷な戦い「Krush−58kg WILDRUSH League2015」を勝ち抜いた小澤海斗が対戦した。

 持ち味の爆発力で6勝のうち5KOを上げ“ダイナマイトキッド”の異名を取る小澤だが、ボクシング技術に優れる神戸は巧みなボディ打ちをコンビネーションに組み入れ、また打って入る際も頭を振ることを忘れず小澤にクリーンヒットを与えない。

 ならばと小澤はミドルとヒザを多用して、そこから顔へのフックを返してヒットを上げ試合終了。試合は僅差の内容で延長突入かとも思われたが、小澤が30−29、29−29、30−29とジャッジ2者の支持を獲得して判定勝利。

小澤は僅差の判定勝利を収めた 【長谷川亮】

 爆発力の発揮こそならなかったが師である小比類巻貴之代表とともに戴冠を喜び、「このベルトを獲ってからがスタートだと思っています。神戸選手に勝ったので武尊選手とやらせてください」と次なる挑戦を打ち上げた。

KANAは初の国際戦もKO勝利

KANAはパワーを見せつけダウンを奪い、初の国際戦に勝利 【長谷川亮】

 また第1試合には2戦2勝2KO、注目の女子ファイターKANAが登場した。

 小学3年から中学3年まで空手、高校・大学では陸上・やり投を経験したKANAは、ここで培ったパワーとセンスでデビューからの2試合をKOでクリア。この日は韓国のジョン・ヘジンを相手に初の国際戦を迎えた。

 しかしやはりKANAの勢いとパワーは止まることなく、ヘジンのジャブに右フックをかぶせると前方へ吹き飛ぶようにしてダウンを奪取。さらに続けてアッパーを交えた強打で襲ってスタンディングダウンを奪うと、何とか初回は持ちこたえたヘジンだが、左目の負傷があり2R開始早々のドクターチェックで試合はストップ(2R0分03秒 TKO)。

試合後には「今年は第2代女子王者になる」と宣言 【長谷川亮】

 勝利したKANAはマイクを取ると「今年は第2代女子王者になると決めているので、王者になって新しい女子のKrushを作っていきます」と語ったが、女子離れしたダウンシーンの迫力に、その言葉が現実味を持って響いた。

卜部弘嵩が包囲網が激闘に

前K−1王者の卜部功也は、フランスの選手との国際戦に勝利 【長谷川亮】

 弟・功也との兄弟対決を制した卜部弘嵩がK−1&Krush王者に君臨する60kg級。その王座を狙うように60kg級4試合の激闘が繰り広げられた。

 フランスのサイボーグ・ワラスを迎え国際戦となったのは前K−1王者の卜部功也。筋肉が詰まったかの肉体でパワフルなフックを振るってくるワラスを倒すことはかなわなかったものの、右ジャブからの左ミドル・左ロー・ヒザと効かせて完封での判定勝利。しかし「絶対倒さないといけない相手だった」と笑顔は見られなかった。

大雅はサウスポーからの左ストレートに冴えを見せ平塚大士を沈めた 【長谷川亮】

皇治は左ハイキック1発で試合を決めた 【長谷川亮】

 ともに2RKOでインパクトを残したのは元Krush−55kg王者である大雅と関西の雄として名を馳せる皇治。大雅はサウスポーからの左ストレートに冴えを見せ平塚大士を沈め、皇治は左ハイキック1発で試合を決めた。

明戸仁志は延長戦に及んだ激戦を制した 【長谷川亮】

 また、Krush王座決定戦で弘嵩をあと一歩のところまで追いつめた島野浩太朗を破ったのが、この日−58kg王者に輝いた小澤海斗の同門である明戸仁志。ダウンを先取されるも奪い返し、延長戦に及んだ激戦を制した。

 K−1では4月大会(4月24日、東京・国立代々木競技場第二体育館)で‐60kg日本代表決定トーナメントを実施。出場メンバーの発表はまだだが、KrushとK−1、2本のベルトを持つ弘嵩をターゲットに戦いがますます激化してきた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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