難しい最後の1枠…「眼を重要視」=16年センバツ出場32校の選考理由
地域性も加味された市和歌山
関東5枠目は総合力の花咲徳栄
「これまで1人で投げ抜いてきた二松学舎大付の大江(竜聖)投手と、花咲徳栄の総合力で意見が分かれた」と磯部史雄・地区別小委員長は説明。決め手となったのは花咲徳栄の左腕・高橋昴也の力量と主将・岡崎大輔を中心にした左打者の長打力。さらに「二松学舎大付はチーム内に大江投手に頼る傾向が見られ、昨年に続き決勝で競り負ける一因ではないか」との意見で花咲徳栄が最後1枠を射止めた。
【九州4枠/東北2枠/東海2枠/北信越2枠】 4枠の九州、2枠の東北、東海、北信越はほぼ順当な選出となった。その中でポイントは同県対決の決勝となった東北と北信越の2校目。東北地区ではベスト4も含めて地域性と戦力面を検討したが、「戦力面は優勝した青森山田(青森)と拮抗している。決勝に至るまでの投打の安定感は群を抜いている」(杉中・地区別小委員長)と地域性を上回るとの評価で八戸学院光星(青森)が選出された。一方、別の部屋で行われた北信越地区では実力面で準優勝の福井工大福井(福井)を選出。記者会見で、松元泰・地区別小委員長は地域性の議論にはならなかったことを明かした。
東日本は釜石、西日本は小豆島
・東日本大震災の時、一生懸命に生きた子供たちが甲子園に出場することは被災地にとって大きな喜びとなる」(釜石)
・過疎地の学校の典型のようだが、練習では生徒の自主性も感じられる力をつけている。少子化の時代、生徒減に悩む学校の希望の星と言える(小豆島)
との意見が出たことも決め手となった。
3校目は残った7校から評価が高かった3校を中心に検討し、最終的に多数決の末、長田(兵庫)が選出された。特別選考委員会では「夜間定時制高校と通信制高校の2校が同じ敷地内に併設され、3校でグラウンドを使うなど厳しい練習環境を克服している」などの意見が出された。